お彼岸の際にはお寺の中をうろうろした。
面白かった。これは役得だと思う。
未知を明らかにする出来事になる。
何故か単線の図面しかない建築を歩き観察し、
平面をスケッチした。既存の大きさは今後の
設計において、クライアントにとって最も
理解し易い比較対象と出来る事もあり、
出来るだけ忠実に記す。
この機会にと、実は目論見があった。
図書館へ行くことだ。音更は知らない町。
お寺は町において何かしらの場所のはず、
理解するには町の歴史も知っておきたい。
町史を知るにはやはり、図書館が優れる。
音更の名はアイヌ語所以、幾つも川のある
場所のような意味だったと思う。
どうりで、川があちこちにあったわけだ。
古くから人は住んで居たらしく、それは
縄文時代まで容易に遡れるものだった。
これは、個人的に考古に興味のある私の
趣味に通じるのだけれど、場所を知る
手掛かりになる。経済や交通に拠らず、
場所の良さを生粋に見極めここを選び、
住まう事の出来た縄文の頃の人が
この近辺に住んでいたと聞けば、
やはり安心してしまう。
札幌の駅周辺は北海道でも高価な価値を
発揮する場所に違いないけれど、住まうに
相応しい価値は、なかなか見出せない。
経済的価値と心地良さのある場所性は違う。
縄文の頃にも何かしら理由はあったとして、
けれど現代よりも純粋に選んでいたと思う。
この機会に役所関係も巡った。
役場、十勝振興局、開発局等を。
ある程度は電話でも通じるのだけれど、
実際に訪ね、面と向かって尋ねる事は
欠かせない。敷地に関わる条件を知り、
接する道路は・・・国道は開発局、
町道は役場管理、建築の取り扱いは、
規模から役場ではなく振興局とされ、
その振興局は石狩振興局とは違い、
なかなか敷居高く高圧的だったよ。
個人的な感想ですが。
予約しなければ事前協議には応じない、
今日は特別です的な調子でしたし。
役所調査は気がめいる。親身な方も
あるのだけれど、縦割りの弊害は大きく、
責任分担が拠り彼らにとって安全側、
市民町民にとっては正直、
「どこで誰に聞けばいいの?」という具合。
・・・あまり愚痴っても仕方ないか。