屈斜路湖の和琴半島

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津別峠の道は正直、楽しい。二台すれ違えないギリギリの道、クネクネと極端に登り降りする細い道は走って楽しい。ただ、鹿さんが数多く住んでいるので気を付けないと危険だ。彼等の動きは全く読めない。この日は、屈斜路湖側から数多くの人が登っていた。後で分かったのは自衛隊の方々の何かの大会だったらしい。あの急登を走り登っていた。先頭と最後尾の差は相当であった。車でなら楽しくとも、これは・・・真似たくない。

峠を下れば一気に屈斜路湖に辿り着く、南へ進めば程なく和琴半島に辿り着く。屈斜路湖に突き出た半島、ここにはミンミンゼミが居て、ミーンミーンと、正にセミらしい鳴き声が響く。写真はその湖畔。子供の頃に何年もの間、何回もここでキャンプをした、思い出の場所。自然に湧き出る温泉もあるし、砂湯川とは違いこちらの湖畔側は水面は落ち着き夏は水遊びが楽しい。キャンプのブームは幾多、今はこのご時世でもあり静かな湖畔だった。カルデラの外輪山、見える範囲に美幌峠があるはず。

駐車場に面して嘗ては5,6軒のお店が並んでいた。今は数件のみ。ただ、当時からある「みどりや」さんは健在だった。おじさんは、いまはもうおじいさんなのだけれど、今も変わらずに店頭に座り木を彫られていた。開拓入植者だったらしく、当時はここも畑だったものの、国内の観光ブームで畑よりもと今に至ったのだそうだ。これは初めてお聞きした。もう何十年もの間、そこに座り続け屈斜路湖の、和琴半島の、国内観光地の筆頭で時を経た方の言葉を集めまとめる機会はないものだろうか?

彼の子供の頃はまだ周囲の道は舗装されず、美幌峠は難所、弟子屈へ抜けたのだそうだ。舗装され整うのと同時に観光ブームが訪れたらしい。どっちが先は知らない。今は嘗て程盛況ではなく、特に今年は静かな光景。今後はどう移ろうのだろうか。記録ではなく人の記憶を場所の記憶として残す努力をしなければ、失われてしまうのではと怖い。