Compact house 考 その⑪ 分析を試みる。

昨年末からお正月に掛けての実験、何が出来るか?小さな家のシミュレーションを果たす。望ましい成果には至らずとも、出来るだけ減じた中で無理のない、或いは十分な住宅を考えられるのか?という自主プロジェクト。時間をおいて温め、また再開したいと思う。幾つかの形状について、より理解を深めておきたいと考える。

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【Type-012】として案内したこのタイプは、今回の取り組みでは基準となるプラン系統、一人二人の生活に耐えうる最小限の住いと考えた。LDK+DOMAで18帖、Bed alcoveとUTへの空間の抜けを考えると20数帖分のスペースを16坪規模で実現が可能だ。勾配屋根でLOFTを設けるなら一人くらい増えても耐えられそう。老後の住いなら?時々孫が遊びに来ても清潔感を失わずに迎えられるだろうと思う。これを図式にすると・・・

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この様になると思う。室と動線をモデル化している。

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もう少し理解を深めると、重要なのは公私(パブリックとプライベート)の区分になる。これが混乱すると、生活から清潔感が失われる。ワンルームの部屋は基本的に公私の区分がない。一人なのでそもそも不要という考えから経済優先の合理性、効率性の事案になる。気の知れた友人の来訪なら支障なくとも、節度の必要な人を招くと公私混同は防ぎようが無い。

・トイレに入る前にはワンクッションは欲しい。
・キッチンは手元を最低限隠しておきたい。
・脱衣場は公(パブリック)スペースからは隠したい

などなど、住宅の清潔感を保つには幾つかのルールが必要になる。Type-012のプランは最低限の公私区分を行っている。Bed alcoveはスライドドアを設け隠す事も可能だ。将来、孫も訪ねて来ない完全にプライベート空間のみの住宅なら、まだまだ切り詰められるものの、小さな家を考えるなら公私区分を失わずにと思う。

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最も、このプランは動線はなくLDK+DOMAに吸収される様な具合ではある。その分、規模を抑えられるので緊密感か一体感を得られる上に、建設コストも抑えられる。最低限、トイレと浴室の出入り、UTに距離を与えている。

訪ねた家で、洗濯物籠が目に入ったり、トイレがリビングと扉一枚の隔てしかなかったり、脱衣場の無い浴室なら、親しい友達でもなければ落ち着かないと思う。生活感丸見えは気兼ねしてしまう。綺麗に住まえる人は別として。LDK一間に内包するように寝室、収納、水廻りをプランした形状は一般的なワンルームに違いない。