設計では本能的にこういう場所を作る。油断すると「便利」等の理由で収納等で埋められてしまう。大抵はクライアントと陣取り合戦をして過ごすと思う。残せると、そこは心の拠り所になれる、はず。
椅子は人の場所を暗示し、スケール感も伝える。和の建築なら生け花が活けられたりするだろうか。
置いているのマッキントッシュの椅子は、正直を言えば、座り心地が良いと感じた事はない。背筋の伸びる椅子だ。ただ、とても綺麗だ。マッキントッシュは前世紀初頭のイギリス、スコットランドはグラスゴーを舞台に活躍された建築家で、家具も有名だ。
随分以前にグラスゴーにある喫茶店を訪ねた事がある。『Willow Tearoom』。所狭しと背の高い椅子が並び、座ると周囲が見えなくなるほどだった。妙に背筋を伸ばして頂く珈琲が美味しかったのか、記憶にないな。エレガントではあるけれど豪華とは違い、手作り感のある設えがあり、他に経験の出来ない楽しさが満ちていた。
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