【 DOMA/Yamanote 】のスケール感を。

【 DOMA/Yamanote 】は細長い四角い住宅が敷地に綺麗に納まった。長辺にドマ床が伸び吹き抜けの空間があり、シンプルな上下階のフロアが広がる。2階は間仕切り壁で仕切り、個室や趣味室、収納が造られる。


階高を抑えた室内空間は一体的で、規模以上の大きな空間に感じられる。手前がドマ、その奥に上下階の床がある。ドマはさながら『路地』のよう。この場合、やはりどのスペースからも近い方がいい。


この3Dモデルは図面確定前に製作したもの、実際とはやや違うものの基本は同じ。そして、実際には見る事が出来ない断面を眺めている。※自然採光や照明は再現せず。

一般的な住宅は部屋が全て仕切られているはずなので、このような一体感はない。家族の構成、成長、変化を想像して設計では長らく打合せをした成果になる。高さを抑えた事もあり外観は可愛らしく小さい。玄関をポーチを更に低く抑えているので、玄関に入った時、ドマに立った時の空間の大きさには驚かれる。

クライアントの親御さんが訪ねて来られた時、「こんな小さな家で大丈夫か?」と言われ、中に入って以降は何も言われなかった。14mほどの全長は実際、長い。密に広がる大きな空間はより距離感を伴う。仕切る事で空間を分節するのではなく、実際の距離がスペースを分節する具合、パーテーションがあれば多くの期間において有効に思われる。

子供が思春期か受験勉強をする頃に、果たしてどの程度の仕切りが必要になるのか?
先に記した【M邸】住宅の改修のように、何かしら考える時期が直に来るだろう。ただ、眺めていると子供は順応性が高く、寧ろ、仕切られていない事で自分のスペースが家中に拡張するように思う。

「部屋」という閉じた空間が与えられた場合は、その中で完結する事が教育されるのだろうか。明瞭に閉じられていない場合は自分のスペースが広がって行く。2階には夫婦別の書斎スペースがあるのだけれど、家族や夫婦の力関係がおそらく反映される。果たして、今後どう変わるのだろう?



以下にスケール感の検証リンクを。
■【MoAi in ny】の検証!
■【 DOMA/NATORI 】
■【DOMA/Hakodate 】
■【 DOMA/Yamanote 】
■【 DOMA/道南(South Hokkaido) 】
■【 Bookshelf 】
■【 Compact house 考 】
■【 一般的な住宅との比較 】
■【 佛願寺 】
■【 光明寺 】