百年記念塔チカホ展計画① どうしよう?

昨年末に記したとおり、ある日突如さらわれ連れて行かれ「ココ」でと告げられ、「任せた」と会場の申し込みも含め全てを一任され・・・丸投げだな。「何故こうなった?」と悩ましいお正月を過ごした。

場所を得たら「空間」を模索する。これは職業上の習性だ。準備期間は短く、使えるのは昨年のギャラリー展で製作したパネル模型、新規に加えられるパネル類は数枚程度だろうか。果たして、歩行空間で何が出来るだろう?


即興で製作したパース。視察から場所を想定し、使える空間を確認し、どう展開するかを試案する。


高校の同級生が3Dプリンターで制作した百年記念塔の1/100の1mの模型を主役に据える。何とかなるのではと手掛かりを得る。

昨年のギャラリー展では舞台がギャラリーであり、来られる方を特定出来た。チカホは歩行空間であり万人が行き交う。果たして、どう展示をすれば知って頂けるのか?あまりに難題だった。

正直を言えば、千人に一人が興味を抱き、万人に一人が訪ねてくれれば、1日に10万人が行き交うなら10人は観て下さるだろうと予想した。ふらりと立ち寄られる方が多勢のはず、如何に簡明に何を案内するか?とても悩ましく、最後まで迷う。


実は最初に考えたプランは、このパースのプランではない。思いついたのは10年以上間に催された安田侃さんの彫刻展示だった。石という重い素材の重力は人を惹きつける。それが何かを知らずに人は吸い寄せられ寄り添う様はあまりに魅力的だった。

そこで考えたのは、記念塔に使われているコルテン鋼の実物大(畳大)の鋼板を3枚程立て並べて模型を置く案だった!説明不要で最大限の説得力の、完璧な展示を思い立つ・・・借りる事が出来たとしても鋼材の様な重量物の持ち運びなど不可能だと言う事で速攻で却下された。チクショー


設計打合せの際に最もクライアントの気持ちを引き寄せるのは『模型』だ。現実に空間を持つ模型の迫力は圧倒的だ。写真や画像等スマホで足る事のない、建築・空間が特別である所以でもある。模型は1mと大きいけれど、チカホの中ではあまりに小さい。小さく見えては興味を引けない。どう展示すれば『空間』を得るか?設計する必要があった。即興パースは空間の可能性を探るもの、果たして、どう実現しよう?