【2024年 春の縄文探検】その②【国立アイヌ博物館】

この日の最後に訪ねた国立アイヌ民族博物館から書き出す。


エントランスはポロト湖側からの全景。


エントランスホールのエスカレーター。


2階メインホールからポロト湖全景を眺める。


2階メインホール。


展示室全景。


博物館全景。


国立民族共生公園の伝統的コタンの風景。


正直を述べると、まるで期待はしていなかった。元々ここにはアイヌ民族博物館があり、博物館とは名ばかりのアイヌ・テーマパークの様相で私には何一つ見所が分からず、まるで信用のおけない施設だった。それが国立となり愛称はウポポイを名乗り果たして?

施設からは素晴らしいポロト湖の景色を眺める事が出来るのだけれど、建築群が景色と呼応する様子は感じられなく、新設された施設群は過剰にみえる。折角のロケーションと共生が出来ているのだろうか?何かを象徴する空間を得られているのだろうか。

悩ましいのは愛称である「ウポポイ」に違いない。「民族共生象徴空間」が何を意味するのかが良く分からない。実際、博物館としての資料数と質には疑問が残る。道内の博物館や埋蔵文化財センター等と連携し融通する事は出来なかったのだろうか。「私達」で始まる展示解説にも違和感がある。主張している様に見え、客観的に事実を観察する事を妨げかねない。

アプローチからシークエンスを集め経験する事で象徴する何かへ導く計画、設計が出来てればと思う。それは極めて難しい取り組みになるのだけれど、そういう熱意が欲しい。


長々と批判を書いた。で、結局はどうだったのか?と問われれば実は・・・とっても楽しかったのであった。GWのある日、訪ねた人達の中で我々が最もウポポイを楽しんだ事は間違いないと思う。

ホスピタリティー、おもてなしの質の高さは素晴らしい。博物館のガイドは美術館とは違い、さっと寄り沿い補足を伝えるのが良い。芸術を鑑賞し感じるのでなく、事実を知る楽しさを助けるのは望ましいどころか必要に違いない。音声ガイドも正しいとは思うものの、人が訪ねて来て出会うのだから、そこに人が介在するのは嬉しく、それは実感を伴うリアルな体験として忘れられなくなるはずだ。

既に出来てしまった施設規模を肯定させるには、全力で使い切るしかない。それをソフトの問題として、優れたホスピタリティーを提供できたなら?それが外国からの来訪者へも等しく出来るのなら面白くなるかもしれない。



■リンク:【2024年 春の縄文探検】