21.09.12 カーリング

台風か何かの影響で風が強く日曜は雷予報でもあり、何処へも行けないな~と残念な思いで過ごした週末は昨日の午後、テレビではカーリングが放送されていた。長丁場なのできっと何処かでテレビの前を離れるだろうと思っていたら、しっかり釘付けにされてしまった。

道銀のスキップは心折れてしまわないか心配だけれど、人生で出来る最大を経験している。耐え残るなら明日の日本を支える選手になるに違いない。

知らなかったルールで、ガードのストーンを5投目まで弾き出してはいけないというのがあるのだね。大きく流れを引き寄せたのは3戦目の2エンドでのルール違反の失投からのゲタゲタ笑いではないかと思う。

3勝が必要なオリンピック日本代表決定戦において2連敗しての3戦目は勝たなければならない重要なゲーム、それが10エンドあるゲームの2エンド早々のルール違反の失投は序盤で流れを損なうだろう出来事、落ち込む以外の選択肢があるように思われなかった。

どう体制を持ち直すのかと思えば、ガードのストーンを弾く事をチーム4人が納得の上で間違い、ストーンが当たる直前でそれに気付き、4人はゲタゲタと笑い出した。その大笑いは無観客の稚内のホールに響き渡っていた。「笑い飛ばす」とはこの事なのだろうなと思う。

あの状況で果たして笑えるか?遠慮のない大笑いだったな・・・

一生懸命だから、あの状況でしてしまった失敗を真剣に笑う事が出来たのだろうか?固くなっていただろうにリラックスを導く結果だったのかもしれない。窮地で自分達らしさすらを取り戻し正気にさせてくれる出来事だったのかもしれない。そのゲームは大勝し、後のゲームでは負ける気配を微塵も見せず3連勝だった。4年に一度の重要な大会の対戦相手は最大のライバルで、終えた後のインタヴューでは緊張が解けたのか選手は皆が涙を流していた。

妙に残る、あのゲタゲタ笑い。まさか下品な程の笑い声に勇気をもらえるとは思わなかった。成した成果を目の当たりにすれば不可能はないなと思い知る。けれどしかし、真似は出来ないな。笑うか?笑えるか?笑うのか。とても特別なシーンを見た気がする。