【ナナカマド】 中島公園で観察する。

『ナナカマド』は昨年初めて興味を抱く。先端に一枚+対の葉達からなる『葉群』が特徴ではないだろうか。
極めて洗練されているにも関わらず紅葉の時期以外はとっても地味な樹、春は秘密の一端を見せてくれるので興味深く観察をさせて頂いたのだった。


秋に落とし去る部分はどうやら纏めて『蕾状』の中に繊維として折り畳んでいるらしい。暖かくなり雪が融けて凍る心配がなくなると樹は水分を先端まで運び始め、そこで一気に展開する。しかも、この蕾には幾つもの『葉群』を一緒に詰め込んでいるようだ。良くも小さな突起状の蕾にこれ程の量を詰め込んだ上に、絡まる事なく展開できるものだと驚かされる。見事としか言いようがない。

一つくらい、絡まってこんがらがってるのがあれば!なのだけれど、そこは洗練の極み、何事も無かったかのように完璧に展開してしまう。しかも葉群は7枚から十数枚まで多様なのだから、あまりに見事過ぎ来て不思議な程だ。


それを下から眺めると・・・懸命な様が!洗練の極み、ナナカマドも唯一春には幼く、必至に展開を試みているのであった。



既に『ナナカマド』の葉群に見える程に展開を済ませた部位も数多い。



一度開けば、写真の葉群は11枚タイプ。若葉が美しい。



という葉群の数群れを一セットにして枝に蕾状に備えて春を待ち、それが枝に幾つもがあり、春の今は混み合う様に伸び盛り!であった。


昨年は『葉群』にしか気付けなかった。その葉群そのものが実は群を成して展開している事に驚かされた。正にフラクタル、群れは群れを成し・・・もう少し長い月日で眺める事が出来れば、おそらくは枝の成長を含むナナカマドの秘密を観察する事が出来るのかもしれない。

『洗練』とは、恐怖を覚える程に凄い。

生態性能は柔軟で何処ででも育つので、人は街路樹などと便利に使う。紅葉の時期は輝くものの、多くの時間は実に地味で町並みに『緑色』を提供するだけの存在なのだけれど、正しく観察をすれば学ぶ事は多いどころか最早、不思議でしかないのよ。本当に驚かされてしまう。

桜に目を奪われている人達の直ぐ傍で、とんでもない事を仕出かしているナナカマドはでも、やっぱり地味なのであった。