とある住宅設計のエスキース。


肝心な事は手描きでスケッチブックとなるのだけれど、同時進行ではCAD上で繰り広げるゾーニング含む合理性への探求がエスキースだろうか。

ここ5年で建設費はまるで違う世界となってしまう。2000万なら!が、今は3000万を予算しても何も出来ない。低価格仕様で規模優先なら建築家の出る幕はまるで無い。覚悟はしていてもその制約は強烈で設計料を安くしたとしても雀の涙、既製品採用の浴室やキッチンの足しにしかならなさそう。

けれど、諦めはしない。

可能性を模索し、実務として合理的に要望に応えられるプランを探す。これでエスキース図面は10枚程になる。図中のどれもが実施に至る事のないプランながらも、様々を可能な限り検証している。既に『まな板の鯉』に近い程に合理的な検証を済ませている。

予算から想定する規模、仕様は更に突き詰める必要があるものの、何とか、自分でも住まえる!と思える所が見えてきたかもしれない。違うかもしれないが。


建築家の仕事して提示する際は誇らしく、時にカッコ良くありたいとは思うのだけれど、説得力を得るための仕事は実は極めて地味であったりする。涙ぐましい程の労を掛け悩み過ごす・・・諦める?イヤイヤ、諦めないよ!と夜毎に挑み続ける。

可能性はある。その可能性の最大限を探すのが設計においては『計画』となる。