光明寺設計物語【2017.10.20~10.21】大掃除。

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大掃除の前日に訪ね、庫裡について主に打合せた。
大掃除は法恩講前に行われる通常行事らしく、
門徒様総出で行われるもの、昼はカレーを作る。

設計打合せについては前回の記事に多く書いた。
滞在二日目の大掃除は、実は楽しみにしていた。
どういうわけかお聞きすれば楽しそうでもあり。

写真は磨き上げられた蝋燭台。仏具は実際立派。
光沢が素晴らしく、よく見れば自分が写っていた。

 

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本堂にビニルシートを広げ、真鍮仏具を磨く。

 

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先の蝋燭台はこれ。

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獅子が数多くある。仏具は分割が出来、
獅子はあちこちに居て、最後組み立てる際に、

若干は足りないとか場所が違うとか、あった。

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中には昭和13年に檀家様から寄贈されたものも。
興味深く私も参加させて頂いて磨いてみた。
手間を惜しまぬと綺麗になる様が実に嬉しい。

 
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その本堂は丁寧に大掃除される。

 

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窓拭き含めて徹底的に行われる。
何時も訪ねて気持ち良く感じられるのは、
この様な丁寧な維持管理がなされている
からなのだと実感させられた。

建築が素晴らしいものであっても、
管理されなければ残念な結果しかない。
古いお寺でも清潔感があるのは、
こういう日常を疎かにされていないから。
皆様が率先して取り組まれている様子は
とても印象的でした。

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庭に行けば外は外で掃除がされていた。
今は本職らしい庭師もあって、完璧だった。

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その頃、厨房では?カレー作りが始まっていた。
婦人会は清掃もしつつ、カレーも作り大忙し。
大掃除では定番のメニューらしい。
その最中、玉ねぎ投入の際に一枚を撮らせて頂く。

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カレールーは細かく削られ投入を待つ。

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福神漬けも用意がされる。 
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そして、提供の際の厨房はご覧のチームワーク。

お寺の厨房、嘗ては葬儀などで活用されたらしい。
今は葬儀は葬儀屋で執り行われる事が通常で、
厨房をフル活用する機会は今後減るのかもしれない。
法要や法事では仕出し屋を使う事が多くなるだろう。
けれど、婦人会なのか、厨房が賑やかである事は、
お寺が快活である様を直接的に伝えるもので、
これは各お寺でも事情が異なるものなのだけれど、
この機会に是非とも見ておきたいシーンであった。

・・・カレーを食すシーンは割愛するけれど、
この日は掃除であって主たる行事ではないものの、
本堂は殆どの仏具が外されスッカラカンの様で、
境内も厨房も忙しくあり、見る事が出来て
有意義だった。

そして、これが既存のお寺での最後の大掃除、
私は感傷には浸らずに、皆様の行動を粒さに
観察する事に忙しく過ごさせて頂いた。

この時は既に実施設計をスタートしていた。
実施設計に盛り込めなければ具現はない。
この時の様が再現できるよう試みるべく、
邪魔だっただろう事は知りつつ遠慮せずに
見せて頂きました。