大掃除の前日に訪ね、庫裡について主に打合せた。
大掃除は法恩講前に行われる通常行事らしく、
門徒様総出で行われるもの、昼はカレーを作る。
設計打合せについては前回の記事に多く書いた。
滞在二日目の大掃除は、実は楽しみにしていた。
どういうわけかお聞きすれば楽しそうでもあり。
写真は磨き上げられた蝋燭台。仏具は実際立派。
光沢が素晴らしく、よく見れば自分が写っていた。
本堂にビニルシートを広げ、真鍮仏具を磨く。
先の蝋燭台はこれ。
獅子が数多くある。仏具は分割が出来、
獅子はあちこちに居て、最後組み立てる際に、
若干は足りないとか場所が違うとか、あった。
中には昭和13年に檀家様から寄贈されたものも。
興味深く私も参加させて頂いて磨いてみた。
手間を惜しまぬと綺麗になる様が実に嬉しい。
その本堂は丁寧に大掃除される。
窓拭き含めて徹底的に行われる。
何時も訪ねて気持ち良く感じられるのは、
この様な丁寧な維持管理がなされている
からなのだと実感させられた。
建築が素晴らしいものであっても、
管理されなければ残念な結果しかない。
古いお寺でも清潔感があるのは、
こういう日常を疎かにされていないから。
皆様が率先して取り組まれている様子は
とても印象的でした。
庭に行けば外は外で掃除がされていた。
今は本職らしい庭師もあって、完璧だった。
その頃、厨房では?カレー作りが始まっていた。
婦人会は清掃もしつつ、カレーも作り大忙し。
大掃除では定番のメニューらしい。
その最中、玉ねぎ投入の際に一枚を撮らせて頂く。
カレールーは細かく削られ投入を待つ。
福神漬けも用意がされる。
そして、提供の際の厨房はご覧のチームワーク。
お寺の厨房、嘗ては葬儀などで活用されたらしい。
今は葬儀は葬儀屋で執り行われる事が通常で、
厨房をフル活用する機会は今後減るのかもしれない。
法要や法事では仕出し屋を使う事が多くなるだろう。
けれど、婦人会なのか、厨房が賑やかである事は、
お寺が快活である様を直接的に伝えるもので、
これは各お寺でも事情が異なるものなのだけれど、
この機会に是非とも見ておきたいシーンであった。
・・・カレーを食すシーンは割愛するけれど、
この日は掃除であって主たる行事ではないものの、
本堂は殆どの仏具が外されスッカラカンの様で、
境内も厨房も忙しくあり、見る事が出来て
有意義だった。
そして、これが既存のお寺での最後の大掃除、
私は感傷には浸らずに、皆様の行動を粒さに
観察する事に忙しく過ごさせて頂いた。
この時は既に実施設計をスタートしていた。
実施設計に盛り込めなければ具現はない。
この時の様が再現できるよう試みるべく、
邪魔だっただろう事は知りつつ遠慮せずに
見せて頂きました。