とあるS造(鉄骨造)のカーポート、追加。

左は公道、右は庭、その間にパーポート。折角、カーポートが壁となって庭を隠すのなら、そこはプライベートなコートになる。そのコートを眺められる建築に出来るなら、それはとても楽しい。



【 DOMA/Yamanote 】はその方法を実践している。通りからはこう見える。肝心なのは、中央の「空」になる。閉ざされると閉塞感を生み出し陰を作り、その陰鬱さが気持ち悪さとなってしまう。「抜ける空間」は気持ち良い。伸びやかで、奥にさらに広がる世界を予感させられる。それはとても魅力で踏み入りたくなってしまう。それがエントランス、日常の光景なら、楽しい。


空間の妙、創るのは建築ではなく空間、建築は空間を創る装置に過ぎない。カッコ良い建築も良いけれど、楽しい空間の方がより大切になるのだと思う。そうでなければ、そこに住まう事を楽しむ事も難しい。

ラーメン構造故に重々しくはあるけれど、壁は自在、壁一つ裏側ではコウなる。これは通りからは隠され見えない。まさか寛がれているとは!という具合が出来る。人生の多くを過ごす場所に肩ひじ張らずにカッコつけずに楽しまれている光景は魅力的、というのはより望ましいのではないかと思う。

木造では柱に壁が欠かせず、ここまで自在に考えるのは難しい。建築の可能性の一端は示せたのではと思う。条件に要望を整理出来れば、カッコ良さも叶うはず。機会に恵まれれば。

自分なら?帰宅しても直ぐには家に閉じこもるのではなく、プライベートな空の元で庇の下、椅子を出して寛ぎだすと思う。珈琲をここで飲もうか、暖かい夜はお酒を飲みだすだろうな。雨でもBBQは出来るし。仕事がノートPCで出来る程度なら仕事場として、ここに持ち込むかもしれない。

設計は、楽しさを覚えた瞬間に一気に膨らむ。



■以下考察
物置は重要だ。壁面の棚は少し高価だけれどROYALのような棚収納システムを設えたなら自在に出来る。タイヤを収納する余地があれば、好みに出来る。スペースがあれば自転車が収納できる。壁に立てかけたい除雪道具はどうしよう?そのためにスペースを割くのは勿体ない。物干し金物を駆使して吊るすように出来れば、暖かい時には避ける程度で開放的に使えるかもしれない。普段から整理して必要なものを収納する工夫次第か・・・コレがもっとも難しいかも。何にプライオリティ、優先順位を置くか?の問は常にある。整理出来ればこの上なく楽しさを求める事が出来る。


関連記事
■とあるS造(鉄骨造)の下屋建築。
■とあるS造(鉄骨造)のカーポート。
■とあるS造(鉄骨造)のカーポート、追加。
■とあるS造(鉄骨造)のカーポート、更に追加。