とある改修のための習作は、ピアノを加える。

ここまで作り込むつもりはなかったものの、「ピアノが無い」と注文がつく。なかなか、綺麗に出来た。20年前に設計したお寺の会館、当時の3Dモデルのデータが残っていて、再び使う機会だった。とある改修のための習作。

鉄骨造の建築、この会館にはシルバーに塗装したツインコラム(柱)が聳えている。お寺なら「木」でとシートを貼ったり、木材で覆ったりするのでなく、鉄骨そのものを現している。大黒柱でもある。当時、悩んだ末に選んだ仕上は違和感を覚えないかと不安を他所に、これしかないと提案をした。今はすっかり溶け込んでいる。


コンサートでも出来そうなインテリアかな。お寺だけれど。


自然光で終日明るく健やかな空間を創った。仕上は質素ではあるけれど贅沢な空間。改修に伴い家具や照明を加えたなら、より良く出来るのでは?と習作に取り組む。元々、スケール感は研ぎ澄ました。『光』と『スケール感』が出来ていると思う。夜の照明、人工照明時は質感が緩和されるので、雰囲気が出る。

改めて思う。以前に取り組んだ仕事も、それが懸命な成果なら今も新鮮。クライアントも改めて思われた様子。設計業務の請負期間は竣工まで。けれど、後の変遷も計画に組み込んでいる。経年の変化や新たな要望に応じる事は楽しい。それが綺麗に出来るなら、嬉しい。