とある施設のエスキース


思いつきも試してみたくなりパースまでを作製する。外観の2つのヴォリュームの組み合わせ、屋根形状、影の具合、建築は綺麗に出来そう。



ハイサイドライトを使う室内で反射光を利用したスペースの明るさを見せる試作は、パースでは難しい。


人を置いてみる。スケール感がわかる。

何時もなら軒を引きく人との親和のある「大きさ」を考えるのだけれど、その方法は違う考えも生み出す。トリスタン・ツァラ邸を少し前に紹介したけれど、3階建ての町並みの中で、まるで2階建てに見える外壁の2層構造に加え、5階建てに見える窓とトリッキーでいて、その大きさは周囲と近しい。錯覚を生み出すデザインは何の気なしに散歩している目にも「あれ?」と思わせる。使い方を間違えると悪目立ちしてしまうのだけれど、上手に景観に馴染ませられたなら楽しい。

敷地の形状、周囲の環境を眺め、その建築がどの様に在るべきか?を考える時、人馴染みの良いスケール感に落ち着かせようか?存在感を築くべきだろうか?ココでは存在感を高めつつも周囲の環境から遊離しない建築デザインを試作している。

2階建の住宅よりも背は低いけれど階を示さぬ外観は大きな壁面を作る事が出来、敷地の形状から僅かに互い違う二分したヴォリュームに屋根を掛けエントランスを設けている。室内採光は当然ながら大切な空間を生み出す仕組み、外観の見え方を重視するのではなく、室内を考え設える。


建築を周辺環境に馴染ませつつ、その内に正しく健やかな空間を。