建築模型 その② 隣地模型


隣地模型は白模型。道路に歩道、白線に電柱、それに隣地の建物をある程度の特徴を再現しつつヴォリュームで表現している。現地調査の際に周辺を観察し写真に収め、航空写真も眺めつつ製作する。

ここでは、どのようなヴォリュームを計画するのが相応しいのか?を検討する。そのための模型が周辺を作り込んだこの模型。3Dでも検討はするのだけれど、立体で眺めるのはやはり正しい。と言う事で建築ヴォリューム模型は10以上を作った。以下の写真は製作時のもので、後にも様々を作り試している。


①既存建築


■先ずは既存建築を配置し、目線よりやや高い位置で眺める。
古い既存建築は今や周囲を囲われ、やや広い視野のある交差点からは隠れて良く見えない。境内となる外部も狭く印象に残り難い状況に見える。


②ヴォリューム A


■最初は鉄骨造のモデルを試した。
改めるて眺めると、設計時の事を色々と思い出す。コストを考えてある程度のプランをしたヴォリュームを置く。敷地だけを眺めていた時とは違い、隣地模型の中に置くと、あまり何も感じない状況だった。敷地内でアチコチに置いて眺めてもコンパクト過ぎて上手く敷地を使えない。


③ヴォリューム B


■壁一枚でどう空間を創れるかを試みる。
暫定プランは考えたので建築のヴォリュームは把握、木造案も考慮して、壁一枚でどの程度の可能性があるのかを検証する。

壁は直線、円弧で膨らむもの、円弧で凹状のものなどを様々な角度において眺めた。


④ヴォリューム C


■大きなヴォリュームを考える。
模型があるので様々な形態も試してみる。メインの道路に対して敷地の間口は狭く、どうしても奥まってしまう。少し離れると巨大な商業施設が立ち並ぶので大きさや電飾、奇抜さで目を引く事は出来ない。街並みに参加するには適さないなー。

写真は目線が高いのだけれど、実際の人の目線では奥まるとまるで隠れてしまう。


⑤ヴォリューム D


■勾配屋根の木造を考える。
庇を伸ばして軒下空間を見せられないか?を試す。壁ではなく屋根で領域を示し、境内を意識させられるかもしれない。


⑥ヴォリューム E


■勾配屋根
メインの通り側に傾斜させた屋根を試す。通りからは小さな建物に見えつつ、奥に長い建築。視野の広がる交差点からの眺め、壁が奥に行く程に背が高くなる構図では実は変化が乏しく感じられそう。


⑦ヴォリューム F


■勾配屋根3つめ。
奥に行く程低くなる傾斜屋根を考える。交差点から眺めるとパースが効いて見えるので奥行き感が出てきそう。

と、言う様なヴォリューム検討の出来るのが周辺隣地模型のが特徴。一度作れば、何度も使えるのが良い。計画時は随時、実施設計を始めてからもヴォリューム確認のために活躍した印象深い模型です。