【 project v-IF 】計画② ヴォリュームの検討

計画では最初にヴォリューム検証を欠かさない。重要なのは『ヒューマンスケール』を創れるかどうか。特に傾斜地のような特殊な場所では、プランを優先し後に取り返しのつかない方向へ進んでしまう事が起こり得る。

勾配屋根を傾け、変形平面で切り合わせた屋根が敷地に馴染むのか?

この計画案では要となる。余裕ある高さ寸法体形でのヴォリューム検証、過剰になる想像もあったものの、思いの外、この敷地に良く馴染む事がわかった。条件調整が出来れば、ここから30cmは高さを下げる事が容易なはず、好感触だ。

即興の初案の素案としては手応えのある計画を提示できそうだ。



道路側は『パブリック』スペースであり公に面する。ここでは生活感を漂わせる佇まいにはしたくない。標準的な住宅建築では、窓の大きさや位置でプランまで分かってしまう。このような外観では想像も出来ないので住宅に見えない。



敷地の傾斜に沿う屋根が出来た。勾配は十分にあるので雪は落ちる。落ちた先は床は高く窓は雪に埋もれ難い。ん~、もう一枚壁を設けて人の出入りを隠したくなる。



南側外観全景。窓開口は暫定のもの。これはプラン検証時に正確に創る。先ずは『敷地をどう使うか?』を考える。ここではゾーニングといい、パブリックとプライベートを区分したプランを想定している。そのレイアウトがヴォリュームに合致し、敷地に良く馴染みそうだ。

道路側をフラットにアプローチすると、反対の南側では1m~の高低差を生じる敷地、敷地はその先まで傾斜が続くので埋め立て始めると余計な擁壁が必要にしまう。敷地に馴染むスキップフロアの構成とすれば、道路からは素直に出入りし、室内で上下移動を加えると落ち着くリビングや寝室からは馴染み良く景観と対面出来る。

敷地は、南からは誰にも見られる事がない。空間を開く事が出来る方位へは遠慮なく開く。後は、コストが許せば窓を多くしたい。