建築模型 その①

とある後輩がアトリエに遊びに来た先日、何か偉そうに話しては最低限の”刺激”にならなくてはと考え、「建築模型」を披露する。

製作した模型は手元に残るものもあれば去るものもある。音更で設計したお寺の模型は4つが手元に残っている。設計において模型で確認しつつの作業だった事もあり、差し上げる機会を失い残してしまった。披露したお寺設計時の建築模型は以下。

① 1/200スケール 隣地周辺模型
② 1/100スケール 建築模型
③ 1/30  スケール 納骨堂部分模型
④ 1/30  スケール 本堂部分模型

話した事を覚えている上に記してしまいたい。長文になりそうなので、記事は続くはず。


① 1/200スケール 隣地周辺模型

建築のヴォリューム検討のために隣地周辺までを製作した模型。


② 1/100スケール 建築模型
建築模型の、そのもの。


③ 1/30  スケール 納骨堂部分模型

スケール感と採光を慎重に検証すべく製作した模型


④ 1/30  スケール 本堂部分模型

お寺の要の空間となる本堂は核心部、この模型で検証した。


次の記事では各模型の意図を案合いしたいと思う。訪ねて来た後輩はこのお寺を実際に視察頂いているので、それがどう出来たのか?を模型を使って案内が出来た。設計は楽しい、それは間違いがない。ただし、それは今は話せる事の一つで実際に設計している時は「恐怖」をも感じる。絶対に間違える事が許されないのが「設計」だ。

ちょっと違ったね、間違ったね!などとは絶対に言う事が許されない必至の仕事が「設計」でり、それ故に充実した時間を送る事が出来る。これらの模型を製作している時の心境たるや、鬼気迫るどころではないぞ。


「建築模型」はミニチュア模型ではない。ミニチュアを求め始めると優先順位を間違う。但し簡素化し過ぎても見落としてしまう。肝心な事が3つある。「正確さ」「綺麗さ」「早さ」となる。正確でなければ空間シミュレーションに耐える質がなく、綺麗でなければ見るに値せず、早く作らなければ検証出来ず趣味になってしまう。

模型の3原則は学生時代に学んだ事で、今も欠かさずに実践をしている。本堂模型など1/30スケールで作れば1/50スケールの住宅模型よりも大きいのに、目線で覗けばリアルな空間体験が今も出来てしまうし、周辺模型と建築全体模型は90cm×60cm以上あるので大きな模型、迫力は今もそのまま。

持ち運びを考えて箱も作っているので手元に辛うじて保管出来ているけれど、蓋を開けて取り出せば、製作していた時に事が強烈な印象を伴い蘇る。

執拗には語らずに済むだけ後輩は知った人なので、その機会では製作したパースや実施図面、監理の際に描いた詳細図面やスケッチまでを案内したので、どこまで仕事をしてよいのか?やり過ぎる事なく徹底すべし!という果ての少しを紹介できたのではないかと思いたい。

そう話していて自分自身が、再現性のない設計に何時も取り組んでいるのだと思い知らされる。もう一回模型を作って、同じ質の設計をして・・・などと言われれば困惑してしまう。気運、モチベーションに集中力こそが大切だ。