記念塔のモデリング その⑦ いざ、モデリング。 

準備は丁寧に行う。3D、つまり立体は平面では見えない裏や表の様々があるので、出来るだけ備え理解しておくのが良い。製作途中で不明が生じ場合、時に計画し直す事も在り得る。特に曲面や斜め線がある場合はより立体的な把握が必要だ。

そして、モデリングは製作目標ポイントまで一気に行う。中断して集中が切れるのは、忘れ物を生じやすいので避ける。

塔のモデルは中央の階段室、ゴジラの背板(側面の△)は別として、過程は少ないので一気に立ち上げるぞ。


【 Phase 1 】立ち上げる。

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立面で描いた曲面に奥行きを与えて、立ち上げた。


【 Phase 2 】平面を整える。
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長い曲面のヴォリュームを平面形状と重ね削ぎ落す。



【 Phase 3 】頂点を切り取る。

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登頂部分を斜め30度に切り落とす。反対側は、手前の切り落とされた頂部の低い方から寸法が定められていた。合わせて斜めに切り落とす。


【 Phase 4 】ヴォリュームを分解する。

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小口は水平目地、曲面は斜め目地となるので、目地制作に合わせてヴォリュームを分解する。これは鏡面部分。


【 Phase 5 】ヴォリュームを分解する。

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分解した塔、これは小口部分になる。


【 Phase 6 】ヴォリュームを分解する。

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悩んだ一つは曲面と小口の平面の際。輪郭となる部分も分解して取り出す。斜め目地が水平に切り替わる輪郭を別にしておかなければ、目地一本毎に手作業で調整をしなければならず手間が掛かり過ぎて怖い。


【 Phase 7 】改めて組み合わせる。

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このスケールでは分割線は小さく見えないけれど、【Phase 3】のヴォリュームとは見た目は同じだけれど、こちらはバラバラのパーツに分解されている。
錆びの腐食面が保護膜となるコールテン鋼、テクスチャーを与えると一気に臨場感が増す気がする。


【 Phase 8 】目地を切る。

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図面にしていた「目地」を立体化し、パーツ毎に切り取る。これで目地が再現出来た。


【 Phase 9 】細部を調整する。

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側面には大きな窪みがあるので、穴を穿つ。ちなみに見えないけれど、コールテン鋼の縦割り目地は細く切り取っている。近景パースでは線が見えてくるはず。特に人を置くとスケール感を生み出すので重要だ。


【 Phase 10 】ゴジラの背板(側面の△)を取り付ける。

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この作業だけで一晩は使ったと思う。些細に見えて実は強烈に重要なパーツは、曲面に沿って△が伸びるだけでなく、そこに設けられた目地で45度にカットされていた。簡単な方法を探して幾晩も悩んだのだけれど、結局良い方法は思い浮かばなかったので、力業で切り取る。つまり、一つ一つを。曲面に設けられた目地線は3次元的なので、45度のカットヴォリュームを作り丁寧に重ねて配置し・・・これを目地分製作した後に一列で製作した曲面△を切り取った。果てしない作業であった。


【 Phase 11 】基礎を設置する。

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基礎を加える。高さは1m、これで塔は100mとなる。


【 Phase 12 】階段室床を加える。

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二棟の間にある階段室、梁構造を含む床板を設置する・・・良く見えないのは、塔が巨大だからだ。たしか25階建だったと思う。


【 Phase 13 】ルーバーを設置する。
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中央の階段部分には外装にルーバーが設けられている。階床間に設置されている。


【 Phase 14 】基壇部分を製作する。

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平面は六角形で計画されている。これは氷の結晶を想起されていたはず。塔デザインのエスキースでは幾つもモデルが描かれていた。正三角形が6つ重なる構造、その中の二つが地面から生える様に局面で伸び立ち上がる。基壇が決まって初めて全体が理解出来る。


【 Phase 15 】レンダリングする。

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制作時は線又はOpenGLでヴォリュームを確かめつつ、完成した3Dモデルを使い、光の計算をさせると初めて画像を得る事が出来る。

パース制作は、カメラで言えば望遠レンズか広角レンズかを使い、遠くから又は近くから気持ち良い画角を探し、陽の位置を確認し決めレンダリングをする。

パースにするには、得た画像をPhotoshopで開き、背景や空等を加え明暗や彩度等を調整し一枚に仕上げる事になる。既に3Dモデルがあるので、どんな角度でも、距離からも自由に眺める事が出来る。添付画像は鳥目線、今ならドローンを飛ばせば撮れるだろうか。俯瞰できれば立体が良く分かる。



割と丁寧に、モデリングについて案内を試みた。