記念塔のモデリング その⑥ が、しかし。

トレースすることで、ヴォリューム感はつかめた。ではあるけれど、しかし、何とも気に入らないのはやはり、図面が怪しい事に尽きる。本当に良いのか確認のために・・・

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図面を改めて見直す。キーとなった図面がこれだ。これは塔のデザインのルール解説書になる。ほとんどの図面に詳細寸法は記されていない。この図面には数式が記され、高さ(Y)に対する横方向(X)の値が表示されている。また、地盤面(GL)との関係、平面との相関がわかる。更にデザインのポイントになる目地の考え方も記されている。

■目地
地上100mの頂点から30度に塔頂は切り取られる。その線の延長と地盤の水平線の交点が重要なポイントになる。塔の表皮は畳大のコールテン鋼となる。交点から引いた線で鋼材は斜めにカットし割付られてゆく。更に、数枚毎に幅300mmの大目地が切られていた。二次曲線に斜めに目地!どう造ろう?恐怖を覚える。

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改めて数値で曲面のポイントを正し、より簡単に結ぶ様に線を引いた。おそらく、これが正解だ。感情を抜きにした数値、数式で表される実にクールな線がシルエットの要になっている。

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平面・・・似た問題を私は卒業設計で経験したのけれど、果たしてこれは平面なのか?6面図と考える方が正しいように思う。中央は4mの離れ、2m弱のズレを作り、2本の塔が並ぶ。塔は60度の角度の台形上の平面となっている。

トレースでは実は、平面と相関出来ず苦労をしたのだけれど、デザインルールに沿う事で、これは解消した。


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難解なのはやはり目地。塔の小口面は水平に目地が切られている。鋼材の割付も水平だ。ここでは中央の階段室を囲うルーバー、低い位置に取り合えず設けられた展望室を確認する。人が移動する場所でもあり、この部分は「階」が特定出来る。

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曲面部分の斜めの目地を再現する。以前にも書いたとおり、これをどう再現しようかばかり思い悩むものの、立体化するに必要な情報は揃った。