【MoAi in ny】のスケール感を検証する。

先に記した通りW観戦しつつ夜更けに取り組みだした表現の探求は秋に、2年ぶりの道東にて設計した建築で得た空間体験に端を発する。自分が何を設計したのか?お寺のような大きな規模空間への挑戦、新築となる【 光明寺 】の空間は気に障ることなく次々と空間が連続するシークエンスはスケール感を失わず、達成出来ていた。

果たして住宅規模ではどうか?今在る図面や3Dデータを使えば検証が出来るかな?夜な夜な取り組み始めると面白くなり、止まらなくなる。

帯広で設計した住宅、【 MoAi in ny 】『スケール感の検証』から始めた。合法的に4層+αの階構成のこの住宅は平面図ではまるで空間が把握出来ない。監理時に『断面図を描いておいて良かったー』と、割と本気で思ったのは忘れられない。丁寧に作り込んだ3Dデータがあるので試みる。


2世帯住宅を27坪で実現した【 MoAi in ny 】は、「これ以上の広さは必要ない」とクライアントから竣工時にお聞きした。建築基準法上の面積に対して実空間は一回り大きく、立体的な空間構成は様々な問いへの解消となる。設計時にはパースやスケッチ、1/30スケールの模型でプレゼンテーションをしている。

画像は自然光も照明も再現はせず、空間の『スケール感』の検証です。けれど、面白い。「断面図」は「空間」を現す。模型には及ばぬものの、スチレンボードで作る白模型的な把握は良いな表現だ。

27坪と聞けば小さな家に思われるだろうけれど、実際にはこのような住宅が出来上がる。2階の広間は天井高3.05mと高く、各階にLOFTを設けた多層構造なので、幾つものスペースが生まれ、アチコチに人が居て賑やかだ。秘密のハッチを潜れば階段以外に上下階移動が出来、ルーバー床でも上下階は繋がり・・・際限なく空間は連続する。規模?は忘れるくらいの建築住空間。

・・・大人しく何処かに隠れられると、探せる気がしない。

規模に対して空間の豊かさは比例しない事実は伝わるだろうか。秘密の抜け穴で上下階の移動まで出来るので、設計者自身が空間の全体把握を諦めたくなる程であった。区分された空間が連続するだけなら、何も悩まず。



設計時に提示したスケッチはコレ。


模型はコレになる。現実には断面を眺める事は出来ないので、実際に立体であるこの1/30スケールの模型は貴重だ。

ここに住まう人は、必ず何処かに、自分のスペースを時折に応じて探せるはずだと思う。区分された部屋に閉ざされるのではなく。健やかであって欲しい。



以下にスケール感の検証リンクを。
■【MoAi in ny】の検証!
■【 DOMA/NATORI 】
■【DOMA/Hakodate 】
■【 DOMA/Yamanote 】
■【 DOMA/道南(South Hokkaido) 】
■【 Bookshelf 】
■【 Compact house 考 】
■【 一般的な住宅との比較 】
■【 佛願寺 】
■【 光明寺 】