豊平川からの眺め。

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今頃載せるのは、9月に豊平川から眺めた一枚。今年の夏はあまりに暑く、夜に涼を求め思い付いたのが豊平川の河川敷、夜のサイクリングをずいぶん楽しんだ。清涼というよりは強い程の風が通り抜けている河川敷は、街中にあって周囲と切り離された別の空間に思えた。川音が支配し車の音も聞こえない。まとまった大きな空間が川に沿って長く広がる。空は大きく良く見える。

堤防に防がれ眺める機会の少ない豊平川だけれど、札幌の町はこの川に沿って傾斜している。自転車だとそれが良く分かる。私のアトリエから街中へ向かう時は揚々、帰りは足が重くなる。散策は決まって川上側から河川敷に入り、9条辺りで出て中島公園を通り抜けて帰る。

 

河川敷には実は色々な人が夜でも居る。昼と同じくランナーやサイクリストも居るのだけれど、通勤か通学の自転車、歩く人も少なくない。幾人かで語らう人も居るし、焼肉を楽しまれる方もある。

 

その河川自体には様々な護岸が施され、改めて眺めると不思議に思う。丁寧に護岸が施されていたり、されていなかったり、仕切られ滝の様になった場所もあれば様々、場所に応じて根拠があり対策がなされているのだろう。そんな中で流水が中央に限定され両岸にコンクリートで覆われた場所があった。水量の少ない時期は歩き回れる。そこを見つけてからは毎回訪ねては屯し過ごした。街並みが綺麗に見えた。

街並みの広がりは川で切り取られ、断面のように眺める事が出来る。そういう視点を大切に街をつくれば、札幌は川の街になれたのかもしれない。ここは、それが良く観察出来る場所の様で、その内にカメラを持って散策をするようになった。何枚も撮ったのだけれど、空の具合、雲の具合、月の有り無し等条件は一様ではなく、毎回違う景色が映っていた。同じに見える街並みも、それが河川と相まって眺めると明らかに違う毎日のある事を知る。

写真は、その中でもお気に入りの月夜の一枚。写真左下の川面にある光源が反射した月になる。