豊平川のホタル



夜、豊平川にしばしば散歩に行く。たまに夜景を撮る。最近はもっぱら大きなモズクガニの巣穴を覗きに行く。無事かな?と。それが少し前の事、河川敷でゆらゆらと舞う光点に出会う。「ホタル」だった。

※詳細な場所は伏せます。ホタル狩りをされたら失う可能性なので見守りたい。

■ホタル調査1日目
ホタルが居るならヘイケボタル、幼虫は水生なので沼地が必要だろうと対岸の沼状水場を調査する。外来種のカエルだらけだった。エビは居なく、小魚少々、オタマジャクシ多数。※外来カエルに占拠されたかのようだ。

帰りに、暗闇の刈られた芝生でいちゃつくキツネのカップルに会う。


■ホタル調査2日目

初めて見た場所を中心に河川敷を1Km程の範囲で眺める。2度3度点滅した光点を藪の中に見つける。それだけであった。想像上の見たいもの見てしまったのか?確信が持てない。

■ホタル調査3日目

最初に出会った場所周辺を眺める。離れた所で宙を舞う一匹に出会う。そこから100m程先でも出会う。先回りされている可能性は否定出来ない。直ぐ傍だったので失礼ながら照明を当てると、ヘイケボタルに違いない。

更に暗闇の藪を眺める事少々、2匹が舞っていた。更にその奥にも数匹が光っていた。撮影を試みるも、暗闇で数メートル先の小さな線香花火のような光点を撮る事がどれだけ困難か?思い知らされる。

しばらく出会えない事もあるし、狙った付近で光っても藪の奥ならピントも合わせられない。と言う事で、撮れた一枚は偶然のもの、でも、撮れて嬉しい。

■考察
光るオスは十数匹程度は居るのではないかと思う。メスも同数は居るのだろう。つまり、豊平川にホタルのコロニーがある可能性が高い。誰かが放した一群の可能性はあるものの、おそらく、秋頃にここの水場を探せば幼虫が居るはずだ。

ヘイケボタルはどこにでも居る種らしい。ちなみに、ゲンジボタルは環境指標にもなる昆虫で北海道には居ない。西岡水源池はホタルが観察できる場所として知られていて、この水源は月寒川を通じて豊平川と繋がっている。豊平川石狩川に繋がる。淀んだ沼地ではなく、流れのある河川にも住まえるなら、石狩川水系にはホタルが居るのかもしれない。要は、幼虫の餌となる巻貝が居る環境に住まうはず。


小さく少ない光は人の興味を惹くには耐えないようで、直ぐ傍をランナーが夜でも行き交う。沢山光るなら名所になるかもしれない。ならずとも、ホタルが豊平川に居た!これはとても嬉しい発見だ。

不思議なのは、似た環境に思われるのにコロニーは極めて狭い範囲に限定されている。豊平川なら何処にでもいるのか?特定の場所を選んで住んでいるのか?選んでいるとすれば何を根拠にしているのか?知りたい。

クワガタ獲りに夢中だったころ、クワガタの気持ちを想像して居場所を探してたのを思い出す。

人が忘れてしまった自然の良環境への判断、ホタルは教えてくれるだろうか?ただ、今年はもうホタルの季節は終わってしまう。


藪は薄く、直ぐ向こうには街の灯の映える豊平川が流れている。観察していると、その街の灯の煌めきがホタルに見えたりするので要注意。でも、藪の闇の奥に煌めく様は、想像を膨らませてくれ面白い。