構造との打合せ、その④

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構造打合せは④だ。③まで書いてきた事の他にも多々協議をした。滞在時間も長かったのだけれど、最後まで諦めずに徹底をする。現しになるある部材、想像以上に小径の断面が記されていた。それはダブルに重ねてのもので実に面白い解答だった。それを実寸で描いてみて、果たしてどうだろうか?と悩む打合せの席。

改めて考えていた形状、仕上の具合、現す際にどう見せたいかまでを確認して行く。ダブルではなく、スパンの間にもう一本を加える事で荷重負担をさせ、見せる事の出来る様へ考えようという結論に至った。

最後は実寸、現実を想定して建築を考える。



木造の面白いのは、その架構のスケールがヒューマンスケールに実に近い事。強力な構造に拠る大空間はもちろん効率的なのだけれど、小さな断面の柱や梁を工夫して得る空間には魅力がある。そこに居る人の動作に構造スケールが呼応するなら実に心地良い。一致するまで丁寧に設計できるかは何時も問われる。

出来上がった際の空間は未だ、私の頭の中にしか存在せず、今後これを実現して行く過程で明らかにして行かなければならない。頑張らなければと改めて肝に命ずる。