3年目のモクズガニ

暑い夜に豊平川で夕涼み、割と習慣になって久しい。


ここは豊平川の中でも街の灯に近く、川全体に灯が映える。中央には魚道があり、けれどこの高低差のある堰、魚は登る事が出来るらしい。

この場所を見つけたのは3年前だろうか、あと二か月もすれば最も川の水位は低くなるので、歩いて渡れる程になる。

まだ雪解けの名残、6月の降水の痕跡があり水はある。そこで、いつもの場所を覗く。今年も出会うのはモズクガニ。出合ってから3年目の夏だ。非常に大きなカニだけれど、3年経過してサイズが変わった印象はない。ライトを当てた時の挙動は同じ、カニが全てそうなのか、この個体だけなのか、わからない。

3年も観察をしている事になる。眺めているのが同じなのか?ここは問題だ。出合った頃からサイズに大きな変化は無いという事は既に成体のはず。産卵のために、ここから30km離れた石狩川河口へ向かうはず・・・でも、まだ居る。

ひょっとすると、昨年のは既に去り、別の個体が良い巣穴だと居付いたのかもしれない。印を付けたいけれど・・・

中には、産卵に向かわずに生息してしまうものもあるのかもしれない。大きいとはいっても、カニサイズで川を30kmも下るのは困難に違いない。近くにはハサミが落ちていた。居付いたカモメに襲われたのかもしれない。

ともかく、自転車で10分の場所にこうも大きな生物を確実に観察できる場所があるのは楽しい。涼を得るための夜の散歩が、何時しかカニに会う為になっている。