中島公園の、その他の木々。

木の名を知らず、簡単な生態も知らず、見た目の感想まで!というメモ。


夏に花を咲かせ秋に実る類は堅実に見える。但しライバルも外敵も多い。秋まで蓄えた栄養を保ち越冬し、春に花を咲かせて実を結ぶのは生存戦略上は有利に違いない。水場の水芭蕉は水量変化から雪融けを察知するのか、そしてその場の水で一気に膨れ上がる。構造や仕組み繊細さや緻密さはなく「勢い」あるのみだ。

木々においても春に花咲く類は、人の目にも華やかで虫達にはたまらないに違いない。夏に花咲くタイプとは違い、用意周到ではいられないのでやはり、勢いに任せる具合に違いない。夜は冷えるので長く花を維持するには適さぬ季節、ライバル不在の一時に集中する。何を合図にするのか?同期できるだけ簡単な気候変化を読み取るのだろう。

ただ、散り際はあまり綺麗には見えず、夏に向けて葉を開く木々に隠れて行く。写真の黒い粒は種に違いない。これは鳥の餌になるのかな。


子孫を残す活動を終えた後、この木は来春を目指して葉を広げている?のだろうか。


ギザギザの葉の形状は、風の影響を抑えるのに役立つのかもしれない。花は既に咲かせ終えたものの、来春への準備のために開いた葉はまだ小さい。カツラに比べて洗練さを感じる枝ぶり、ナナカマド程に効率特化するわけではない。既に余裕があるのか、どこかゆとりがあり、感情移入の余地を残してくれる、気がする。


末の枝。これは間違ったのだと思う。太い幹の低い所から付き出してしまった様だ。


針葉樹は不思議だ。この細い葉で光合成をしてしまう。効率を考えるなら大きな葉を広げたいはず。けれど広い葉は乾燥時期には蒸発器官となり降雪時期には負担になってしまう。落葉広葉樹に対する針葉常緑樹は裸子植物、交配の仕組みも生存手段も古典的だ。硬く強い細い葉は一度纏えば末永く使う事になる。

低い位置にも取り合えず生やしておくのは、選択肢なのだろうか?間違いではないのかもしれない。わからないけど。


これはナラ類の葉だと思う。大きな葉は既に開いている。ただ、まだとても小さい。


小さいと可愛い。成長すれば押し葉にするのも躊躇われる大きさに育つものの、今時期は可愛い。隙間だらけで空が見える。小さいけれどきっと硬いのだろうな。秋まで使う葉、ゆっくりと大きく育つに違いない。


これも何かも間違いかもしれない。太い幹から突然伸びた枝先に葉が付いている。直に上空は大きな葉で覆われて活躍は出来ないに違いない。それでも備えておけば、例えば台風で被害にあっても、ここは残るかもしれない・・・間違っただけかな?




春にも関わらず、既に完成された美しいデザインの葉があった。これは何の木だろう?枝先は3つに別れ、左右は対に葉が開き、中央はその先で二股に別れ葉を開く。先端の2枚はまだ若く小さい。

葉は7つに別れていて、7枚の葉と言った方が良い程に見える。先端を結び大きな円い葉にした方が生産効率は良さそうに見えるけれど、この形状はデザインに特化したのではなく、選ばれた形状なのだろう。

葉脈が支えられる葉面積、切り込みを深くする事で奥にある葉にも光が行き渡るのかもしれない。ギザギザの葉形状を含め、風の影響は受け難いに違いない。ただし、少しでも面積を確保するために7つに分かれた葉の中央はやや膨らみがある。

効率や機能、構造を踏まえた上で得た現代かいでの「正解」がこのデザイン。自然には叶わないと思わされるだけ十分に圧倒的な美しさだ。それ故に、どうしてこうなったのだろう?と興味も深くなる。


春の木々、本来なら『桜』を楽しむのが筋なのだろうけれど、今春はナナカマドを見つけてしまったのが間違いの始まりだった。カツラまで可愛らしく、もう暫くは春の様をたのしめるのだと思う。

15枚組の葉のナナカマドを探すにも、人の手に拠らない自然を確かめるにも、どこか野生の森に踏み入りたい。