カツラ

カツラ(桂)の木が昔から特に好きなのは、出会ったロケーションが良いからだと思う。道東の森の中で孤高の存在、という具合に出会う事が多かった。巨木になるので並んで立つ事はなく、小さく円い黄色の葉を数多く纏う姿に神々しさを覚える。

春?実は良く知らなかった。中島公園を散策していて見つけた、カツラの春。


一際小さな円い葉が無数に枝から持ち出し開いていた。


これは、何か間違ったかのように可愛らしい。


春の風に揺らめく極めて小さな円い葉。ハート型とも言われるが。飾り付けられたかのような光景だ。


こんな太い枝にも直接、葉が開く。ナナカマドの洗練された葉の構造を思うと、カツラの木は古い種なのかもしれない。葉を携えるための方法に洗練さが見られない。この仕組みだと大きな葉を持つ事も難しい。小さな葉をそこら中に纏うのが生命戦略のようだ。


桜が咲き始める事に開いたカツラの小さな葉は、桜が散り終えた頃には大きく育っている。


枝の先端は、この具合。基本的には枝に対で葉が開いている。冬に葉を落とす仕組みは理解し易い。春先の一段が落ち着くと、枝先は更に伸びて若い葉が続くようだ。まだ広がり切らない葉、枝ぶりに構造が分かり良い一枚だと思う。

洗練はされていないものの、繊細ではあるカツラの枝葉の仕組みはメカニカルで好みだ。鈴生り?とはこういう事だろうか。極めてシステマチックで印象的、今年春までで一番の写真かもしれない。


枝先は細いけれど纏う葉は小さく少ないので風の影響もいなせるのかもしれない。
とは言え、棒に円く切り抜いた色付きの紙を飾り付けたかのうようで、なんとも楽し気に見える。