光明寺設計物語【2015.11.05】スケッチ

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 初見では未だ何も具体的にはならずであった。
その年の冬に描いた一枚のスケッチがこれ。
敷地を見て特に感じたのは、空間が放散的で
散逸してしまう空気だった。拠り所となり
人が集う具合ではなく、便利な場所ではある
もののどこか殺風景と言うか、落ち着かない。

計画は、空気を留める事が出来るように考えた。
つまり、境内を作り上げる事。そのためには
アプローチを定め、お寺建築に辿りつくまでに
物語を作れるようにというものだった。
本堂は残し、以外は建替えとし、それを壁の
向こうに隠しつつ、国道側には低い塀を設け、
門扉を設え、境内の空気を逃がさずに向かえ、
留める様を考えていた。

実働するには未だ先になるものの、一度見た
敷地、建築は記憶に残る。体が覚えている。
覚えていれば頭に必ず残っていて、つい
思い出しては描いたりする。