【RI project】再始動?

初めて敷地を見てから5年を経たニセココンドミニアムの設計はコロナ禍の影響を受け3年の月日を空け再始動となりそうだ。建築に関わる状況は一変しているので、当時の条件とはまるで違う。無事に動けるのか、設計当初よりも厳しいのかもしれない。


3年前に製作した模型は実は1年前に撮影をしていた。この模型を昨日、クライアントへ送る。一度しかお見せする機会がなかったのだけれど覚えていてくれ、欲しいと要望された。事業の再始動が無事に出来れば、来年は極めて忙しくなるかもしれない。

何せ困難を極めた実施設計、その上にプラスされた要望もあり、空いた時間の分だけ忘れもしていて、最後に描い平面詳細図や展開図等の一式を眺めると怖くなる程、中断前のモチベーションを取り戻せるのか?クライアントの気持ち次第でもある。求められれば、応えるのみ。



道路からはひと山超えた丘上に建つ建築を、その道路から撮影する。製作したのは1/100スケールの模型、大きさは80cm×55cmくらいだったかな。積み上げたコンタ(≒等高線)は30枚程だったろうか。傾斜地の模型は敷地が本命模型かの様で、確か高低差は1mまでは測量図から判断し、足りない線は自分で描いた。よって実地とは細部では違うものの大筋では合っている。敷地模型には1週間程を費やしたハズ、分かってはいても終盤は・・・何を作っているのだろう?とはなる。

加えて実施一歩前の模型は検討のためのエスキース模型、建物は2棟分で手前の壁は数種類を製作し、置き換えて様々を組み合わせ眺め、比較検討をした。

設計における一つの成果でもあり、模型は綺麗に作る。残しておかなければとは考えていて、それが一年前に思い立ち撮影した。



全面の壁面は長さ40m程となる長大さ、その奥に切妻の母屋が控えている。


丘の奥は低地となっていて、建物は三層構造で壁の裏には店舗が納まる。写真の手間には林が広がり、プライベートな大きな空間がある。これが南側。表の表情とはまるで違うオープンな空間を備える計画は、とても楽しみだ。


このプランの方針は実は計画当初に思いついたもので、その後に幾多の変遷はあったものの貫いている。通りからは丘があり、その奥には低地のプライベートな広がりがある。その特徴を活かした建築計画は理想だ。無理なく地勢に沿い、自然の景観の中に建築を置くだけで要望に応えられる。そういう計画案だ。

・・・まぁ、正直を言えば、もう少し低くし、スケール感との戦いたい。当初は広い敷地にスリムでスタイル抜群の建築を計画していたのに、当然ながら、クライアントの要望は・・・肥大化してしまった感は否めないのだけれど、良くもこの敷地にこの規模の建築を上手に納め込んだなーと思う。思うけれど、あと2割絞れたなら傑作だったはずだとも思う。ではあるものの、前に進めば様々、未だ余地はある。最後まで懸命に取り組みたい。