間取り・・・プランは科学出来る。と、思う。
実は、どうプランするかのマニュアルは無い。
多くは、妙見真似、経験、感に頼るのかも。
設計する人によって、方法は様々になると思う。
その方法は個人的なもので方法論は明記出来ない。
それほどに人の生活は様々で正解がないと言う事。
「正解」となるプランはこの世に存在していない。
科学するとは、ここでは、昆虫を分類したり、
考古学で区分分類するのに似た方法で考察を
深める事が出来る事を指す。
これを覚えても、設計が出来るわけではない。
けれど、理解を深める事が出来る。そこから
学ぶ事が出来、バランスの良いプランを製作
するのに役立てられると思う。
ただ、これは私の方法論。普遍ではないかも。
母校の教授に、これを統計立て研究をしている
先生が在った。だから何?というくらいに
退屈な授業だったのだけれど、自分には響いた。
社会に出て、実際に設計を通じ、自分なりに
整理を繰り返している。
自分の設計を客観視出来るツールに育っている。
と言う事、少し書いてみたいと思い立つ。
温めると書けなくなると思うので。
では、一般的な住宅を考えて見る・・・
一般にはこのような部屋構成となるだろう。
リビング(LIVING・DINING)や個室(BED・ROOM)、
玄関(ENT)、ホール(HALL)、UTや浴室(BATH)、
WCなどが基本的な要望諸室になる。部屋数は様々。
これらを一括りにして『住宅』となる。
問題となるのは『動線』だ。家の中で各室がバラバラに
在ると言う事はなく、動線が各室を結びつけて始めて
プランが出来上がる。
これは『居間中心型』のプラン。かつての北海道では
多くみられた形式で、屯田兵舎も同じ構成となる。
暖房のある居間を中心に、その暖の恩恵を受ける様に、
各部屋が取り付いている。
本当はここに、各室の『性質』を問う必要がある。
居間の様に家族皆が集う『パブリック』な性質のもの、
各個人が使う個室の様な『プライベート』な性質、
また、その中間的な『セミ・パブリック』等が在る。
『居間中心型』は温かな雰囲気がある。仲良い家族なら、
この形式は捨て難い。ただ、パブリック的性格の居間と、
プライベートな個室が隣接し、公私の区分が出来ない。
婉曲的に接する方が良い部屋もある。そこには工夫が
欠かせない。扉一つで丸見えの寝室は落ち着かないし。
これは『ホール中心型』のプランだ。ホールを大きく
すれば個室は幾つも増やす事が出来る。
プランの自由度は高く、便利なプラン形式と言える。
気密・断熱性能を高く出来る今は北海道でも一般的な
プランになっている。プラン製作にはそんな技術的な
開発と併走する側面がある。至らぬ性能でこの形式なら、
全てが寒く、暖かくすれば燃費性能が極端に劣るだろう。
これで規模と東西南北毎に基本を作っておけば、
ハウスメーカーの営業マンでも編集だけで営業が出来る。
昆虫は、顎や足の突起の違いや、羽の文様などの細部を
比較して分類する、らしい。間違い探しの如く丁寧に。
考古、好きな石器も割り方や加工方法、形状から様々に
区分され、それで用途や製作時期を割り出す事が出来る。
プランには、そこまで明瞭な分類方法はない。もしも
それが出来れば図鑑が作れる事になる。そんな図鑑が
存在しない事実を見ても、プランは難解なのだと分かる。
ここで掲載した3枚の図版は私の理解の方法を示したもの。
基本になる住宅のプランの原型だ。