住宅には二世帯住宅というものがある。
一般には親子二世帯が同居する一つの住宅。
住宅が二つ組み合わさると途端に難解になる。
部屋数は多くなり、組み合わせは複雑になる。
『ホール中心型』形式を使い、ホールを大きくし、
各部屋を数珠繋ぎにプランをする事も出来るし、
全く関係せずに一つの建築に二つの住宅を作る
事も出来る。それが多様になる理由。難解だ。
世帯間の関係が、そのままプランになってしまう。
これまでの経験から、二世帯住宅の設計では、
最初は玄関も別にしたい!から始まる事が多い。
全てがフルセットの二戸、面積効率は悪く、
建築は大規模化する傾向になる。
二つの住戸を一戸にした、『二世帯住宅』の図示。
いつも最初に提案を試みるのは、お風呂等の水廻りを
共有するプラン。動線(青い線)は複雑極まりない
けれど、共有する事により居間は大きく出来、居住の
環境は優れる。世帯間で共有部分を多く出来れば、
その分他の部分に面積を割り振りする事が出来る。
共有出来なければ、各室は小さくなってしまう。
予算に余裕があれば、建築規模を大きくすれば良い。
けれど、そんな都合の良い設計はなかなか無い。
完全分離型は最初の図版、部分共有型一例が次の図版。
メリット、デメリットが各々に在る。優先順位を
どこに求めるか?によって様々な検討が可能になる。
玄関ーホール、UT、浴室を共有する二世帯住宅を
整理した図版にすると、こういう具合になる。
家族故に話が出来る事、出来ない事が生じるし、
姑ー嫁という関係もある。母系なら母子の関係も
問われたりする。男である私は、女性陣の考え、
希望要望を確かめるのは常、問題が何かを見つけ
そこに答えを探す事が出来るかどうかが問われる。
設計って、とても難しい。人間関係を平面に解き
明かす作業がプランと言い換える事も出来るだろう。
無理に共有を進めても将来に遺恨を残しては残念、
共有出来るのに分離し、各室を慎ましくするのも
悩ましい。最適なバランスを探したい。