【 間取り・・・プランを科学する。】 設計考察 ② 二世帯住宅

住宅には二世帯住宅というものがある。
一般には親子二世帯が同居する一つの住宅。
住宅が二つ組み合わさると途端に難解になる。

部屋数は多くなり、組み合わせは複雑になる。
『ホール中心型』形式を使い、ホールを大きくし、
各部屋を数珠繋ぎにプランをする事も出来るし、
全く関係せずに一つの建築に二つの住宅を作る
事も出来る。それが多様になる理由。難解だ。

世帯間の関係が、そのままプランになってしまう。
これまでの経験から、二世帯住宅の設計では、
最初は玄関も別にしたい!から始まる事が多い。
全てがフルセットの二戸、面積効率は悪く、
建築は大規模化する傾向になる。

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二つの住戸を一戸にした、『二世帯住宅』の図示。

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いつも最初に提案を試みるのは、お風呂等の水廻りを
共有するプラン。動線(青い線)は複雑極まりない
けれど、共有する事により居間は大きく出来、居住の
環境は優れる。世帯間で共有部分を多く出来れば、
その分他の部分に面積を割り振りする事が出来る。
共有出来なければ、各室は小さくなってしまう。
予算に余裕があれば、建築規模を大きくすれば良い。
けれど、そんな都合の良い設計はなかなか無い。

完全分離型は最初の図版、部分共有型一例が次の図版。
メリット、デメリットが各々に在る。優先順位を
どこに求めるか?によって様々な検討が可能になる。

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玄関ーホール、UT、浴室を共有する二世帯住宅を
整理した図版にすると、こういう具合になる。
家族故に話が出来る事、出来ない事が生じるし、
姑ー嫁という関係もある。母系なら母子の関係も
問われたりする。男である私は、女性陣の考え、
希望要望を確かめるのは常、問題が何かを見つけ
そこに答えを探す事が出来るかどうかが問われる。
設計って、とても難しい。人間関係を平面に解き
明かす作業がプランと言い換える事も出来るだろう。

無理に共有を進めても将来に遺恨を残しては残念、
共有出来るのに分離し、各室を慎ましくするのも
悩ましい。最適なバランスを探したい。