薄暮過ぎの夜の光景

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珈琲を先ずは豆をミルで挽き、湯を沸かし、淹れる。頂く頃の周囲は既に奥を見通せない闇に包まれた夜、至福の時間を持って撮影した光景。私にとって特別な空間。


本当は、星夜で無風の鏡面を期待していたものの、それはなかなか見せてくれないオンネトー。その期待故にまた訪ねるのだと思う。

光に満ち溢れる昼間はスマホでもあまりに綺麗に撮れる。光が失われ僅かになるとカメラが必要になる。残された、或いはそのあるのみの光を見たい。僅かな光でも空間は広がる。広がるには何が必要か?知るには実際に暗闇で光を探し、見つけなければならない。見つけられなければ、自分の手先も見えない闇の中を彷徨う事になる。僅かでも光を得れば広がる空間を設計してみたい。それが印象的で心象を写す空間に仕立て上げられるなら本望だ。照明で救うのは危う過ぎる。健やかさ、は僅かでも得られ、得られるのなら日常の健やかさを疑えない。

殆ど宇宙かと思う程のスケール感の空間にも関わらず、立った自分も意識し強く存在を実感させられる空間、写真を見返す今はそれが現実のものだったのか疑わしく思う程に幻想的だった。