【 オンネトー 】 その⑤

10月末に道東を巡り、あまりに多く写真を撮ってしまい整理に随分と時間を要してしまった。小春日和の故郷を期待していたのに雨、降らずとも曇り。所要は多くそれほど撮ったつもりはなかったのに。

今回のオンネトーは雨。日没時には雨は上がってくれたものの雲は厚く低く、残念には思ったものの折角の機会と写真を撮ってみれば、思わず「光」を再確認した。

闇に沈むと空間を感じても目には見えない。未だ見える刹那の時間帯は好きだ。それが雨の後なら地面は濡れて黒く、曇が厚ければ残る光は僅かにしかない。その場に行き、良く観察をすれば、そんな状況ではあっても綺麗だと思う瞬間がある。

日の出直後に歩いた故郷の町も興味深く、雨で地面は濡れて黒く、陽は未だ低く薄暗い。雲のない空の方向ですら印象的なのに、雲に覆われた下では均質に僅かに照らされる具合は奇妙だった。雲のある、空に表情のある光景も良い。

知った場所、いつもの場所であっても、空模様一つで違った世界に出会える。先日はココの屋上で月見珈琲会を開いたのだけれど、いつもなら暗い屋上に灯りを持ち込み、満月を添えたなら輝いて見えたりもした。

どうも近年は、僅かな光を灯し暗闇一歩手前を探している気がする。



オンネトー
【 オンネトー 】 その①
【 オンネトー 】 その②
【 オンネトー 】 その③
【 オンネトー 】 その④
【 オンネトー 】 その⑤