夜 2020年の写真から。

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薄暮直後の夜は未だ青い空の残る夜。これはオンネトーでの一枚。珈琲を淹れながら。珈琲セットはカバン一つなので、豆と水の用意があれば何時でも何処ででも。昨年、ようやくミルを調達したので、挽き立てが飲める。ここは観光地ではあるものの、流石にこの時間に訪れる人は居ないので、振り返る森は静寂な闇が覆う。

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雌阿寒雄阿寒が湖面に映える月夜。無風の星夜が本来は望み。眼下に星々を眺めたい。チミケップ湖も訪ねるのだけれど、なかなか機会を得ず。今年は何度チャレンジ出来るだろうか。としても、人灯の無い世界の光景、眺めるだけであの静寂が蘇る。

f:id:N-Tanabe:20210111043832j:plain場所は中島公園、散歩コースだ。散歩なので稀にカメラをぶら下げて行く。街の灯は雲のある夜空が綺麗なのかな。

f:id:N-Tanabe:20210111043821j:plain中島公園の池越しにススキノ方面を望む。結局、3月以来訪ねていない。今となってはもう、行って良いのか分からない。JAZZを教えてくれる先輩の静かに音楽が流れるバーに行きたいよ。

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室蘭はイタンキ浜。これは嵐の夜だった。車から出ると強風で砂が飛んでくる状態だった。目も開けられないような強風が絶え間なく吹くなか、何を撮っているのか分からず、もちろん水しぶきもあるので、レンズが濡れるのを覚悟で一枚だけ写した、軌跡の暗闇。砂は、マジで痛かった。撮れた写真はロマン派の絵画の様相、特にお気に入りの一枚。長時間露光なので波は靄となり、何かの灯りを僅かに映える。RAW現像で無理やし光にしている。知らずに見れば、何のことか不明だろうか。暗闇の波です。

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イタンキ岬西の浜。左手の明るさは街の灯が空に映えている。対して右手は太平洋、波は立ち、立った水は僅かに街の灯を受け光る。露光の間にその波が何度も写り霞みとなり一枚に写り込む。

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反対側を見れば、イタンキ岬が闇に消える光景。学生の頃は朝に昼、夜も通った場所。交通量の多いバイパスが直ぐ傍に走るのに、浜に降りれば圧倒的な波音しか聞こえてこない。それが脳裏に静寂を生み出し、闇を楽しむ事が出来てしまう。進み過ぎると波にさらわれるので危険な撮影がな。

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浜益方面で出会った一枚は札幌の明るさ映える雲間を背にシルエットの農機具倉庫。十勝に通っていた頃も近しい光景を見ていた。大地に立つ建築がふとした瞬間に浮かみ上がる光景は興味深い。

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夕暮れの後、暗闇となった夜に護岸で友人と珈琲を頂きつつ。波音が邪念を消し去る様で「静か」な空間、風も無く、他に音も無く、目を閉じれば何処に居るのか分からなくなる。右手の灯りとランタンを対比させる構図にすべきだったかな。