今年はとうとう6月になって初めての海。ここしかない?という間隙を見つけ思い立ったのは夜更けだった。空模様から太平洋を目指す。支笏湖を経由したのだけれど、今や釣り人にキャンパーの集う場所、湖上には夜が明ける前から釣り船が出ていて賑やかだった。苫小牧から海に出るも、行けそうな浜には車が必ず止まっていて、これが釣り人らしい。静かに珈琲を淹れ過ごせる場所を探すのがとても大変なのだと思い知る。

結局、登別の何時もの小さな浜へ辿り着く。昼の極めて長い季節、寛ぎ始めた頃には既に空が明るいぞ。

室蘭から有珠まで足を伸ばして善光寺をとは思ったものの、この日はココで折り返し午前中には仕事に戻った。束の間の海、非常に残念だったのは・・・珈琲セットを用意していたのに、豆を忘れてしまった。水もペーパーも補給済みだったのに。と言う事で、数年ぶり?に缶コーヒーを頂いた。それはそれで美味しい。


30分程眺め過ごしただろうか。最初は雑念ばかりが脳裏にあって、波音や揺らぐ水面が体よく余計を遮り雑念に没入する具合、それがしばらくすると、ただ音を聞き、ただ眺め過ごしていた。

人の集中は不思議。掃除を始めると無心になるのに近い。サウナか温泉で体が解れる程に解放感を得るのにも似る。集中が進む先には無心があるのだろうか。


通った室蘭工業大学、かなり標高は高く帰りは厳しいのだけれど、海へは下るばかりであっという間だった。しばしば一人で海へ行く。波を描こうと挑んだ事も多々だったし、星を眺めにも通った。夜は大抵は曇り、真っ暗闇のみが広がっていた。

次は何時行けるだろう?

海の夜空を撮ってみたいと思い付いていて、有珠湾か、室蘭の景勝地をシルエットにした星空が撮れるのでは?と、仕事の合間にGoogleマップを眺めて場所を探して過ごす。