外で珈琲を

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珈琲ミルを手にし帰省した道東で覚えた外で頂く珈琲がとても楽しい。手持ちの野外珈琲セットは既に古くこれまでも楽しんでは居たのだけれど、一層楽しく感じている。故郷の道東なら、場所はそちこちにある。札幌では場所を探すのに苦労する。まず携帯コンロとは言えど火を使って良い場所がなかなかない。整えられた公園では躊躇われる。と言ってそのためだけにキャンプ場へ行くには大げさ過ぎる。行くなら、自然を感じられる場所が良い。例えば近所の中島公園なら?火がOKでも整えられ過ぎていて冒険身がなく楽しさが感じられない。

火を使う事は生きる上で重要な事。無しでは居られない。電気でというのはあるけれど同義。慎重さが求められるので場所を確保する必要がある。椅子を置き、テーブルを置き、そこでミルを使う。調理ではないものの作業を行う。「外で珈琲」は最も簡素な生活を体験出来る。何処ででも出来る手軽さ故に、楽しむには適切な場所を探さなければならない。札幌、その近辺で無いだろうか?Googleマップを眺め出すと止まらなくなる。

この日はしばしばアウトドアのお誘いを頂く友人をお誘いした。訪ねたのは石狩川千歳川の合流地点。航空写真では期待を持てた。実際行けば、誰も居ない河川敷の林の中の暗がりだった。ここで、と暗黙の了解の後に椅子、テーブルをさっさと設置し座る。虫が多いのは難点。秋深まる頃にもう一度訪ねたい。

珈琲を頂きながら眺めた風景とは、この写真。薄暮の空、直ぐに星夜となった。


建築の設計はともすれば先ず囲う事から始まる。シェルターとしての機能は当然の事なのだけれど、身を曝して味わう外の、つまり、その場所の空気を大切にしたい。それが楽しいものなら取り込むことが出来る。囲う事が先立つと場所を拒否する事にも成り兼ねない。受け入れ取り込むには、その場所の良さを身をもって知るのは優れた方法だと思う。何処にでも場所を探し見つけ、咄嗟に寛ぐ空間を創れるなら楽しい。