【 オンネトー 】 その①

訪ねなければならない場所が故郷にある。どの季節であっても年に一度、訪ねられればその後に生きて行ける。間を置くと、自分の中の何かが壊れ始めてしまう。その一つはチミケップ湖、夜ばかり訪ねるので全景を眺めるのは久しい上に、近年は星の瞬かない壮大な暗闇で、それでも感じる実感は代え難い。今回は雨、ダートの先にある事もあり無理は出来なかった。

自由な一日を作ったものの・・・雨。町に古くからあるラーメン屋のラーメンを頂いた。シンプルな塩なのだけれど、これが素晴らしい。そもそも水が美味しいに尽きるのかもしれなのだけれど、本当に美味しい。

その後、温泉へ行き長々と浸かろうかと思っていたのだけれど、野中温泉を選べば雨でも損はないな!と、必ず訪ねるもう一つ、オンネトーへ向かう。

当然ながら分かっていたのだけれど、雨の湖畔。訪ねるのは決まって奥のキャンプサイトになる。晴れていればBBQなのだけれど、この日は珈琲すら淹れて持参した。傘を差しながら、誰も居ない秋深まる季節に眺めた。


既に散った葉は岸近い水盤表層を覆い、風が無ければ鏡のような水盤は雨に打たれ騒々しく、暗い空の下で色付いた木々が輝く。


これだけの落葉が溜まっても、水はどうにかしてしまい、来年には澄んだ姿になるのだから不思議だ。


苔むす切株。


入江には新しく折れた、未だ葉のある樹木が水中に横たわる。静かな世界なのに雨と雲、実に騒々しい。




オンネトー
【 オンネトー 】 その①
【 オンネトー 】 その②
【 オンネトー 】 その③
【 オンネトー 】 その④
【 オンネトー 】 その⑤