故郷の田舎を歩く。


特に紹介したいわけではないけれど、久しぶりの帰省は早朝にラグビーワールドカップを観戦し、6時頃に故郷の町散歩に出かけて、朝陽に出会う。

お日様の下に聳えるのは屈斜路湖の外輪山になるのだと思う。最後の大噴火は4万年前との事で未だ、人は住んでは居なかったのだと思う。ただ、その奥にある摩周は7000前に大噴火し火砕流は屈斜路外輪山を越えたというので、当時は回復不可能な程の焼け野原だったに違いない。そこから数千年を掛けて今は阿寒摩周国立公園にまで至る、そのすそ野に町がある。写真の右手に雲が無ければ雄阿寒岳が見える。



中島公園の紅葉が終わりかけているのだけれど、道東の朝は寒い。まだ咲いている庭の花は朝露の重みに耐えている。

町を歩く。知っているはずなのに、雨の後の朝陽の中では違って見えた。


多くはシャッターの下りたままの、かつての商店街の一部。馬具屋さんなんかもあり、窓から大きなミシンが見えたりする。小さな町の小さな古い建築、小気味よく変化があるので歩いて楽しい。


大通。向こうへ行けば美幌へ通じる。


印象的な街角は五差路。改めて航空写真を眺めると、ここは入植開拓で切り開かれた場所ではない。故に540mグリッドで仕切られる北海道の多くの街とは違うスケール感がある。そもそもは林業、嘗てあった鉄道しかり、山に入っては木を切り、後にそれをベニヤに加工して全国へ、というのと業として発展している。周辺は農業に酪農と。

左を進むと津別峠を越えて屈斜路湖へ通じ、右を進むと阿寒へ続く。振り向いて進めば北見、左へ進めば美幌となる。


五差路の別角度。ここは未だ建物が残っているのだけれど、一本裏手に回ると、当時何があったのかを思い出せない。隙間が増え密度は下がり、栄えていた頃の建築はタイル張りで今も綺麗なのだけれど、古い家屋の多くはモルタル仕上の木造と言う事もあり、カメラを構えると・・・電柱も割と垂直では無い事もあり、水平が分からなくなる。



良く耐えているなーと思う。道路側全面は壁がなく揺さぶられると崩れるに違いないのだけれど地盤は良いのかもしれない。この建物は後方にも更に幾棟が連なる大建築で、調査をして図面を引けばかなり面白いはず。



阿寒への道は一度坂を下り、登るので一望できる印象的な道。低い部分は網走川が流れている。典型的な盆地でお隣には陸別もある。年に何度か日本で一番暑かったり、寒かったりする。四方に必ず山が見える場所で生まれ育った事もあり、今も山が見えないと不安を覚える。今居る場所は藻岩山があり、豊平川の南を向けば恵庭岳が聳え安心するのだけれど、札幌でも石狩の方へ行くと急に不安を覚えるのは、そのためなのだと思う。

道東はオホーツク側の内陸部、幹線道路でもあり朝からトラックの往来は実に多い。そして、どの道を走るのも楽しい。なにせ信号はないし長閑だし、夜間の鹿には脅かされるけれどドライブは極めて快適。