僅かに残る陽、光を求めて。

案外蒸し暑いし、天気予報に反して晴れ渡ったりするし、でも何かしら秋の気配を感じてしまい、涼しくなる夕方は何処かへ行きたくなってしまう。陽は、随分短くなった。夜が早くなり、朝は遅くなる。夜更かししても未だ暗い・・・夜型の私の季節かな?

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日本海は未だ夏色らしい。直に冬姿に様変わりするだろう前の、夕暮れ。未だに綺麗な夕陽の条件が分からない。この日は、厚く暗い雲に覆われて夜を迎える様相。木目細かい布に寄った皺の様な波が遠くの空に残る明るさを僅かに映える。

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帰り際、これは街灯りを背にした風景。写真はどちらも恐ろしく暗くてファインダーでは何を撮っているのか不安を覚える状況。けれど、カメラが優秀なので現像すれば見事な光が写っている。想像か空想を加えた自分の印象にとても近い。

フィルムを使って撮っていた頃は、建築写真こそ白黒で撮っていた。色で誤魔化さずに光の強弱に反応する質感を大切にしたかったからだと思う。今見ても新鮮に撮影時を思い出せる。今は、撮影にはより過酷な状況下で知る光の世界を知りたくて、どうにも僅かな光を探してしまう。

覚えた興味、好奇心を探求する事は有意義だ。少ない事を効率的に使う事が出来れば、多い事を考える時もより繊細に行えるヒントにもなる。