仕事をしていて、ふと、思い立つ。
思い立ったのは先月中頃の事だろうか。
小さな家への考察は続いている。
思い立ったのは、『リビングで寝ころびたい!』
・・・という家であった。
今は無き知人が使われていたちゃぶ台がある。
50年ものだろうそれを貰い受けたのは20年前、
汚れ傷んでいたそれを修繕した。懸命に表層を
ヤスリがけし、綺麗な木目を出して塗装する。
後に尊敬する建具職人にお願いして脚を交換、
今に至る。
リビングにラグを敷いてちゃぶ台を置きたい。
ギャベならいいな。
そこで、寝ころびたい。
普段は殆どの時間を椅子で過ごす。
使っているオフィスチェアは居心地よく、
腰への負担がおそろしく軽減される事もあり、
いつまでも座ってられる事もあり・・・
けれど、故にか、寝ころびたい衝動もある。
床に寝転ぶというのは、日本的なのだろうか。
座るのでなく、ベッドではなく床に寝る。
ちゃぶ台も良いし。
と言う事でコンパクト住宅考察を始める。
■条件
・小さな家である事。
・心地良く寝ころべる事。
・1人~2人が住まえる程度。
・アトリエを併設する事。
敷地が特定出来る場合の建築は、敷地の
可能性を最大限に活かす事を考える。
シミュレーションとなる考察では、
恵まれた敷地を設定する事も出来るけれど、
出来るだけ苦しい条件下である方が良い。
緩くなっては考察自体が甘くなってしまう。
小さく費用を抑えローコストで攻める。
こういう考察はプロトタイプ創造の道、
温め蓄えておくのは設計において重要だ。
後にクライアントや敷地に恵まれた際に
発展させる事も出来る。そのためにも
特殊ではなく正攻法で正解を考えたい。
・・・とは言え、最初は割を愕然とする。
色の無いCAD上でのエスキース。
手を動かしてスケッチブックに向かうのは
この考察ではしていない。効率と合理を
優先しつつ、ヴォリュームを押さえる。
通常の設計なら、想いを投入する前段階の
ステップとして、建築可能な規模策定と
スケール感の把握と理解への作業となる。
思い立っても、この段階で止めることは多い。
希望や興味、可能性を見いだせずもあるので。
『椅子』が好きな私は、家族団らんは通常、
ダイニングテーブルで考える。そこに
キッチンを加えて空間をと思う。
寝ころぶための間を作るのは新鮮だった。
アトリエとは言えおそらく、その机はそのまま
ダイニングテーブルになるだろうか。
なんだか住まえそうと感じられたので、
寝室までを想定してみた。
寝室手前にはウォークインクローゼットを
設けて収納はもちろん、水廻りも考える。
どこにでもあるだろう任意の敷地を想定し、
庭(コート)までを考える。眺望は期待せず、
閉じた外のあるコートハウスを計画する。
車庫やエントランスを備える。
道路は西側と設定をした。
夜な夜な考えるのは、割と良い設定ではないか!