白滝の黒曜石。その③ 技法


洗練された加工技術があれば、このような石器を使う事が出来る。『細石刃』と言う。


先に案内をした書籍『北の黒曜石の道 白滝遺跡群』から引用する。カミソリの替え刃のような薄く鋭い石器を骨や木に溝を掘って嵌め込む道具が既に使われていたらしい。


その加工技術は実に洗練されていて、幾種かに分類も出来るようだ。


これは開拓記念館(現北海道博物館)の地下収蔵庫にあった石核、おそらく残骸になる。最初に描いたスケッチは石核で、白滝で採取した黒曜石を加工した核になる。これだけを持ち出せば、後は連続して数多くの細石刃を得る事が出来る。その残りがこの写真だろうか。

石は重い。必要な部分のみを効率的に運び出す事が出来ればこそ、白滝に通う事が出来る。幸運な事に、当時の事は誰も知らない。なので、想像する事は自由だ。空想は膨らむ。