白滝の黒曜石。その② 石器に挑む。

実は一年程前に『石材』について記していた。並列して『石器』についても記していた。更には博物以外の資料として『北の黒曜石の道 白滝遺跡群』の書籍も案合いしていた。興味があればリンクを辿ってみて下さい。

博物をすれば、綺麗な石器は必ず見る事が出来る。説明を読めば「白滝産」を確認出来るだろう。北海道の博物館に白滝産の石器の展示の無いところは無い

憧れの白滝の黒曜石!開拓記念館の「石器づくり」イベントに参加した事がある。


一塊の黒曜石を頂き、下にある硬い石で叩く事になる。


説明を聞いたもの、見事に叩き割っただけであった。


ただ、流石に白滝産の黒曜石、このような美しい石器が!


有望な破片を加工すれば、なんとなく切れそうな石器になる。


つまみ付ナイフ。素材の良さ故の逸品だろうか。

もしも、これらが古い地層から発掘されたなら?人為的加工は認められるが、技法は拙く石器時代の早い時期の石器ではないか?と考えるに違いない。

本当に勿体ない事に、白滝産の黒曜石をただ割ったというか、破壊しただけであった。一つの石から数個の使えそうな石器のみ。ノコギリの無かった時代には一本の丸太から一枚の板しか採れなかったらしい。ノコが発明されて初めて『板』を量産出来るようになる。

最初に白滝を訪ねた人は、只管、叩き割って石器を作り持ち帰ったのかもしれない。けれど、鋭利なものは割れやすい。運搬中に割れたら哀しい。といって石そのものを運ぶには重すぎる。加工された建築石材ですら、ひとまとまりになれば腰の心配をする。移動する生活スタイルでは致命的な荷物になる。

白滝に行けば素晴らしい道具の素材のある事はわかったとして、ではどの様に日常の生活場所へ運んだのだろう?