【マンションのリフォーム】その①『観察』

私の本業は『建築設計』であり、趣味は『建築設計』だ。本業の合間に時間を見つけては趣味に取り組んでしまうのは何時からだろうか。

あれ?どちらも同じ?なのだけれど実はまるで違う。本業は糧を得る生業であり、趣味は自由!な設計だ。実際の設計はコストや法など強力な制約が働くものの、趣味は開放される。要望は自分で決める事も出来、開放されるけれど想定はする。しなければキリが無くなってしまい収拾がつかなくなってしまうし。

自由な設計は興味が膨らみ、先頃整理した昨年の植物観察から得たデザイン考察に及ぶ事もある。建築に直接関係しないように見えて造形は自然に学ぶ事が実に多い。そのような多様な観察検証検討を失うと・・・流行りに飲まれてしまう。


■【マンションのリフォーム】
ふとWEB上で不動産を眺めてしまい安価なマンションを見つけた夜更け、これはリフォーム出来るのかな?と思い立つ。思うだけで行動しない事の方が実際は多いものの、その夜は思い切って見つけた中古マンションのプランを取り込み、CADに張り付けた。


何となくスケールを合わせてざっとプランを描き出し、スケール感を確かめつつ観察をしていた。賃貸マンションの住戸をプランする機会はあったものの、分譲マンションでの機会は稀だ。あれは、極めて面倒くさい。学生時代のとある先生がプランの分類化を研究されていて、授業は正直、退屈ではあったのだけれど内容には興味を覚え、現実にはその先生の研究室に居た先輩にアレコレを教えて頂いた。

余談ではあるが、その先輩はとなりの研究室で研究室対抗ソフトボール大会では合同チームとして出場したのだけれど、フライを受け損ねて何故か出血の怪我を負われた。笑って良いのか悩まされたは、負傷された当人が一番、ビックリさていたので。

話を戻す。

分譲マンションはチラシも入るので、習性でついプランを眺めてしまう。無駄なく勝手の良いプランは流石だと思いつつ、稀に上手いなーと思うプランにも出会う。専有面積と室の帖数が優先されるマンション、中古マンションのプランと比較すると新旧は随分と違うのだと改めて知る。

見つけた中古マンションは3LDKだと思う。但しLDKは7.5帖しかなく、3室は全て和室、LDK横の一室は布団を敷く前提で普段は一体に使う事を想定したのだと思われる。4人家族が住まう、3人家族で客間を一つ、夫婦はLDK横の部屋を使う・・・感じだろうか?

専有面積は小さい。そこを簡明に仕切り4つのスペースを設けている。階段室型のプランなので居室は両側に窓とバルコニーがあり、水廻りは階段室側に整理されていた。



ケルトンを考えると、水廻りの場所は制約はあるものの階段室側に整理されているので4室は壁を取り除くと大きなワンルームが作れる事に気付いた。水廻りの充実さも時代を反映しそうだ。手狭ではあるけれど、規模を考えると4人家族が住まうプランを考えるのは悩ましいけれど、夫婦二人が住まうなら?可能性を覚えたのであった。



【マンションのリフォーム】記事一覧
①『観察』
 ②『ドマの試み』
 ③『思い切る』
 ④『パース』
 ⑤『空間試作』
 ⑥『office』
 ⑦『徒然』
 ⑧『寛ぎの空間』
 ⑨『回遊プラン!』