【マンションのリフォーム】その⑤『空間試作』

モデリング
実際の設計では『模型』こそ重宝する。その為の労は厭わない・・・というか、模型を作るために設計しているの?な勢いだ。

3Dも多用するのは設計当初からで、ただ、その昔は3Dモデリングやパース作製は模型よりも大変だった。今は【project v-IF】事例のように3Dモデリング先行で設計する事もある。寧ろ、その方が誤解無く空間をクライアントへお伝えできると思う。

3Dモデリングの最大のメリットは?

一度作れば、後は検討に様々使える事だ。平面考察も立体で進める事が出来るし、照明の効果を考察したり、インテリアの調整も検討出来てしまう。平面図のみでは出来ない芸当だ。ここである程度の検討が出来れば、模型も外す事なく出来てしまう。


■パースで空間試作


LDKは凸凹のない綺麗な矩形平面に整理し、キッチンは天井より低く囲い込み間接照明までを考慮した。反対側に取り合えず設けた本棚は壁付けとして下方に照明を設ける。・・・ただ、本棚がリビングに浸食すると、ちょっと事務所の様に見えるかも。



と言う事で一般にリビングに据えられる「テレビ」の台に場所を大きく設けてみた。少し、住まえそうな生活感は出てきた?



テレビをウォークインクロゼットを内包する収納塔に配置し、リビングに巨大なソファを配置した。このサイズが置けるなら?一般的なサイズなら余裕の広さ。家電を控え、綺麗な冷蔵庫をなら?実に住まえそうな空間に至れたのではと思う。



一度モデリングしてしまえば、あれこれ色を変えて眺めてみたり出来る。中央の収納塔の奥に寝室はあるのだけれど、見えはしない。見えないけれど遠く繋がっていて、しかもドマはキッチンを通じ両側のバルコニーに及ぶ空間は実に伸びやかだ。



ちなみに、この室内サイズなら閉じた2LDKは可能だ。LDKは15帖程もある・・・のだけれど、壁で仕切ってしまうと急に空間は閉鎖的になってしまう。壁と床、天井が閉じると空間は一気に閉塞感を生み出してしまう。

住空間、建築空間は部屋数やその部屋の大きさを優先するのでなく、スペースの多様さを考えると豊かになる。実際の設計では、なかなか難しい取り組みになるのだけれど、ではどうすれば到達し出来るのか?クライアントとは多く話し相談し得る。

もちろん、閉じるケースはあるのだけれど、空間の可能性を残す事は「楽しさ」に繋がる。諦めると「楽」にはなるのだけれどね。設計も簡単になりますし。




【マンションのリフォーム】記事一覧
 ①『観察』
 ②『ドマの試み』
 ③『思い切る』
 ④『パース』
⑤『空間試作』
 ⑥『office』
 ⑦『徒然』
 ⑧『寛ぎの空間』
 ⑨『回遊プラン!』