ヴォリューム・パース

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昨年末に敷地を見てより計画を始め、紆余を経て8案まで検討、
様々を試した事もあり、この敷地を相当に把握が出来ている、
つもり。ただ法的には難しく、基本はこのH案に集約される。

この設計では常に3Dでの検討を同時進行させていて、
ヴォリューム検討パースは数知れず。整理が出来たので一度、
もう少し精度を上げてパースにしようと製作したのが、これ。

印象は悪くない。いや寧ろ、良い感じだと思う。この奥には
巨大なヴォリュームが隠されている。けど、見せない。
ファサードとなるこの眺め、壁の高さの検討は、断面の詳細な
検討なしには進められない。あまり低く抑えても、左手奥に
見える切妻の屋根と離れるし、壁を高くしては人に優しくない。

現時点でもかなり複雑ではあるものの、きっとかなり苦労をする。
そういう計画なのだけれど、敷地には恵まれているし是非と思う。

 

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敷地は大きく、けれど要望規模も大きい。高低差を活かして隠す。
表の顔は小さく人に親しい規模に徹したい。
聳える建築では人を疎外してしまう。親しみ易くある様子が良い。

壁は長く、敷地の伸びやかさに合わせて出来るだけ伸ばす、長く。

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隠されたヴォリュームはこれ。アプローチからは見せない、見えない。
でも、随分大きな規模が隠れている。そして、この眺めも特に見せない。
建築内に入れば、そこかしこには匂わすシーンを用意するものの、
外部を眺められるのは各室の室内から、そこには緑が広がるのみ、とする。

煙に巻く。訪れた人はあちこち潜っては進み、入っては進み、その都度に
広がり狭まり、暗く明るく、終には心地良い眺めに辿り着く。
アプローチ上にはシークエンスがあり、ドラマを展開させたい。物語だね。