敷地を調査した。survey・・・宮脇壇さんの本で読んだサーベイだ。
既に過去の人とも思われるかもしれない宮脇さんではあるけれど、
学生時代より著書は親しんでもいて、とても学ばせて頂いた。
私なりの調査となるのだけれど、何れにしても、敷地を訪ねるのは
とても楽しい。これほど緊張し、興奮し、歓喜できるか問われる様な
機会は稀だと思う。そでこどれだけ客観的に観察出来るかのみならず、
何を感じ、発見して来れるのか?設計者の資質が問われるのだから。
添付画像は、クライアントへ提示する調査資料の一部となる。
図面にまとめるか否かは設計毎に異なるけれども、常に資料は
整理している。これまで携わった設計は全てを。
整理をすると、その時に感じた事を改めて確かめる事も出来るし、
発見することもある。敷地の持つポテンシャル以上の事を、人は
成す事が出来ない。外れれば違和感を生じてしまうだけであるし、
追いつかなければ足りないと感じさせてしまう。如何に上手く、
敷地の可能性を建築に具現できるか?敷地を訪ねた瞬間から
勝負は始まってしまう。
ここに至っては最早、誰一人も指針を与える事は出来ない。
過去に確固たる指針を示せた人は古今東西居ないのだ。
どんな傑作として伝わる建築も所詮は人の所業に過ぎない。
そこらにある草花の自然たる振る舞いに及ぶ事が出来ない。
・・・と言う事は、初めてのヨーロッパ遊学の際に痛いほど
思い知らされたっけ。
同時に、徹底的に一切の妥協無く突き進む事も許されると思えた。
それで到達できるのなら・・・出来ないだろう故に挑戦がある。
ところが、この敷地は本当に気難しく、本当に悩んでいます。
札幌に比べるとユトリはあるものの、その余裕に合わせて隣地も
あるので、結局は四面楚歌という状況。
内に篭る様に閉ざしたくとも、コートハウスに出来る余裕は無く、
かなり優れた景観の中でもあるので、それらを省くのは勿体無い。
これまで、同じ条件の敷地に出会った事が一度もない。
この敷地もまた特別な個性がある。日々、自身の理解が問われる。
と、言う事を理由にドライブに出かけたい。
・・・そんな余裕が在るわけもなく。