Compact house 考 リビングで大の字になれる家を考える ㉓ 庭

f:id:N-Tanabe:20210530051754j:plain

■コート(中庭)からの眺め
外とどう繋がるかは考えたい。草を生やすと虫が!という事はあるとしても。


■庭の事例案内。
敷地の中で、特に陽を浴び心地良い場所があるとする。そこに住まうか、そこを眺めて過ごすかの選択肢が設計にはある。どちらがより要望に応えるスタイルか?悩む事になる。⇒【DOMA/Hakodate 】 この事例では敷地レベルが周囲より高く覗かれる事もないので、リビングに大きな開口を設けて敷地と一体となる室内空間を考えた。


眺望の開けた敷地なら迷うことなく挑戦をするだろう。⇒【 DOMA/道南(South Hokkaido) 】 最も、この設計は敷地が原っぱの如くで、そこに住まう覚悟が必要だった。広すぎるとポツンと居る具合で恐れ多い。現時点では楽しく敷地、景観を享受されていて、訪ねた際は何時も驚かされる。景観と一体となる生活スタイルは求め様のない恵まれた敷地、自然の勝過ぎる環境は難題になる故に挑戦に相応しい。


モデルの敷地に最も近いのは⇒【 DOMA/Yamanote 】の事例になるのだと思う。周辺環境を良く観察し、空間の抜けある場所を選んでコートを設けている。青空がアプローチからも見える。その抜けの良さがイイ。風を通し清々しさがある。そのコートは室内と一体的に広がる。


ある程度囲われた敷地で他者からの視線を防げる敷地、自由にあれこれを植え育て眺める生活がいつも魅力的な⇒【 Bookshelf 】の庭もとても素敵だ。


■外
設計ではいつも外と内のバランスを考える。先に上げた事例を含め、お寺の設計での境内との関係まで様々なケースがあるものの、考えない事がない。いつも、人が居る風景を大切に設計をしている。敷地と呼応出来ない建築は『無理』が生じている。この違和感は誰しもが感じてしまう。どれほど建築が素晴らしくとも敷地と離反していては居心地を求め様もない。人と在る風景を大切にする事。これを大切に内に広がる建築空間までをシークエンスに整理し物語のように結ぶ事が出来ればと思う。

どういう街角にあり、どういう敷地にあり、どういう室内へ導かれ、どう佇む事が出来るのか。無理をせずに誘い込み人を佇ませる事ができるのか?設計は何時も問われる。そして、10年経っても30年後にもその効果を発揮する事が求められる。そう在りたいと思う。「外」が無ければ「内」は無いのだし、上手に付き合えるバランス探しは設計の常、挑戦し甲斐があるなー


【 Compact house考 】 過去の記事一覧です。