【DOMA/道南の家】追加写真。

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【DOMA/道南の家】の写真を追加する。
カレンダー用の撮影で東京から来られた敬愛する写真家さんの撮影現場に立ち会う。彼が作ったシーンを撮らせて頂いた。私がウロウロするので「撮らせてやる」と挑まれる。プロは何を省き、何を残し、そして何を写て行くのか?その場で即座に適切に決めては、あっと言う間に撮り去って行く。流石の早業に感服させられた。・・・私は、長々と滞在しては刻々と変化する光加減を楽しむのが引き渡し前の決まり事として久しい。出来上がった空間を誰よりも先に初めて経験し、写す。自分が何を設計したのかを知る貴重な刹那の時間は撮影の時間になって久しい。こうして改めて撮らせて頂ける機会はとても貴重、第三者が見定めたシーンは想像以上に学ばせて頂く機会でした。

これはリビングの全景になる。曇天であった事もあり外の明るさが飛ばずに写真に残っていたし、北窓の効果も伝わる写真だと思う。南側(写真右側)の開口は空間の開放性を。北側(写真左側)は採光上の光の開放性を示す、この住宅を表す特に印象的な写真が写っている。これで冬に困る事のない暖かさのある家でもあり、夏はリゾート?になる。

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毎年北海道に訪ね来られるこの写真家さんとは、これ以降はとても親しくさせて頂いている。私の撮った竣工写真を事前にお見せしていたのだけれど、それは冬景色の中で耐えるかの如く北海道らしい住宅写真だった。竣工後一年でオーナーが作り上げた世界は南国のリゾート?空間になっていて、全く違う様に写真家さんも驚かされたらしい。私自身、面白かった。この場所でどう楽しく住まうのかを知るオーナーさんの逞しさ、揺ぎ無さ、確かさは間違いがなく、新居を想像以上に楽しい場に育て上げられていた。

竣工写真、建築写真をプロに依頼するとどういう写真が撮られるのか。短時間で撮る一般の建築写真のプロはフラッシュを焚いて隅々まで光を届かせつつ、今はRAW現像で作ってしまう。綺麗に見える代償に奥行きの無いのっぺりとしたものになる。又は、実際の採光も照明の無いところに照明を設置して創作される事例もある。

このブログで載せている写真は、この写真家さんの写真は少々、基本は私の撮ったもの。故に至らぬものもあるのだけれど、引渡し直前にして初めて顕になった建築の、作為の無い写真になる。自然光のままを基本としている素直な写真。

写真は嘘を付く。嘘を付くことが出来る。伝えるべく撮るけれど、どんな建築写真のプロも本物の空間を撮る事は出来ない。広角で撮れば広く見えるし、現代ならRAWで撮れば如何様にも現像が出来てしまう。知るには、実際に見に行き自ら感じる以外に方法がない。故に私は建築を見に行き学ぶし、俊工時の建築に最低でも2日を費やして確かめる。

光の具合、空間の大きさ、質感の具合、この写真は申し分の無い。せめて感じて頂けるならと思う。10年を経て改めて、写真を通じて確認する機会は特別、印象的であった事もあり再三にわたりブログで紹介をします。今年は、道南に遊びに行きたいよー