LUDWIG VAN BEETHOVEN④ 作家年表をつくる。

『アナリーゼ』と言う言葉を知る。クラシック音楽で作曲家さや曲の理解を深める際の分析行為をさす言葉らしい。楽譜のみではなく全体の、或いは状況や時に心象までの理解は助けになるに違いない。
建築視察の際の行為に実に良く似るように思われた。誰しもが感じる事を先ずは正しく感じる事に重きを置くけれど、実際に自分が設計する事を考えると学ぶ必要がある。そのためには正しく理解するために分析は欠かせない。実地で、後に文献で、手に入る図面を眺め試みる。それは『建築アナリーゼ』に相違ない。
アナリーゼが未熟なら、真似しか出来なくなるだろう。それは実に退屈だ。

音楽の教養も素養も素質もない私がクラシック音楽への理解を深める上で、好きな音源を探す以外に出来る事があるだろうか?作曲家を年表に整理してみた。これは私の純文学読書ブームの際に作家年表をつくり理解を深めた経験を適用する。

先ずはベートーベンの交響曲第7番が好きなのでは否定出来ない。毎日何度も聴くくらいに興味を覚えている。今後、発展を期待するのはもう少し情報が欲しい。自分が何に興味を覚えているのか俯瞰する機会が欲しい。年表は生誕と没時期の他に出身と音楽上の分類を表記している。


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作曲家の選定は正直、キリがないや。誰でも知るだろう有名どころで目に止まった方々20名を先ずは一覧にしてみた。

例えば、バッハ親分が世界を広げ、可能性を求めモーツァルトがウロチョロし、ベートーベンが確実にした流れがあるのかな?と思えてしまう。

或いは、ショパンシューマン、リスト、ワーグナーなんかはネットの無い時代でも互いに知らないわけがなく、彼等がライバル心剥き出しに切磋琢磨するのをベートーベンも観ていたに違いない。ブラームスチャイコフスキーはその喧騒を見て育ったのだろうか。年表にしただけでドラマを空想してしまえるぞ。

又は、大先輩のベートーベン、先輩のシューベルトを継いで王道を歩くシューマンショパンやリストを田舎者!と言い放ち、ワーグナーを我儘な奴と罵りつつも誰よりも誠実にプレッシャーを感じていたとか。で、ショパンやリストはあいつ等はやっぱり凄いなーと実感して我が道を模索していたのかもしれない。

どれも勝手な想像話ですが。


クラシックの作曲家とは言っても世代は様々で、一括りにしてしまうと間違う様に思う。世代の違いは当時のニーズへの応答からも明快に違いなく、表蘭は思いの外強く印象に残るものになった。たまたま集めた方々がという可能性はあるものの、表蘭全般からは、クラシックはドイツ・ロマン派強しのイメージになる。

ベートーベンはロマン派に属するとあれているらしい。このロマン派という言葉には思い入れがある。音楽ではなく絵画にもロマン派がある。有名なのはイギリスのターナーだろうか。ロンドンのテート美術館のコレクションは圧巻だった。同じくロマン派にドイツの画家がある。カスパー・ダフィート・フリードリッヒは私の特に好きな画家だ。ドイツ・ロマン派は後にドイツ・表現派の源流となり、これが建築とも合致し、バウハウスを生み出す。現在のデザイン潮流のど真ん中と言っても良い。建築を学ぶ際に割けて通れないインターナショナルスタイルやバウハウスの存在は、案外に土着的な表現派に源があり、これが空想的で理想的世界観を求めたロマン派に起因する。それは実際に見て実感を得ると繋がりを感じるものだ。

そこまで論じると当然ながら、ゲーテが登場する事になる。私にはまだ良く知らない未知の存在なのだけれど、原因を生み出した張本人に違いない詩人がゲーテ

フリードリッヒはベートーベンの数年後輩になるらしい。芸術分野ならば互いに知らない事はなかったのではと思う。ここで私の知識の点が線に結ばれそうだ。今は分類出来るロマン派という芸術を創り上げた人達なのだろうと思う。

その潮流の源となったヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは1749年8月生まれでモーツァルトの大先輩、ベートーベンの親に近い世代になるようだ。彼の創り得た世界観が文化を創出する環境を作っていたに違いない。新しい世界観を受けれれられる環境を用意していたからこそ、ロマン派は誕生できたのではないかと思う。

年表を作っただけで、キリなく勝手な想像なのか空想か、妄想が膨らむ。建築知識や好きな絵画、画家との結びつきも想定できるとなれば尚、面白くなってきた。



◇記事一覧
LUDWIG VAN BEETHOVEN⑥ ここまでについて。

LUDWIG VAN BEETHOVEN⑤ 参考資料。
LUDWIG VAN BEETHOVEN④ 作家年表をつくる。
LUDWIG VAN BEETHOVEN③ 交響曲第7番を集める。
LUDWIG VAN BEETHOVEN② 先ずは分析を試みる。
LUDWIG VAN BEETHOVEN① 突如、私に訪れたベートーベン・ブーム!