LUDWIG VAN BEETHOVEN⑥ ここまでについて。

お正月なので時間の余裕があるだろうと書き始め、既に過ぎていた。思いもよらぬベートーベンへの興味は記事6編に至った。分析は建築や絵画にも通じ、想像以上に膨らんだ事もあり、まとめるのに苦労をした。諦めようかな?とは思ったものの、何とか記せたと思う。夜更けに書いているので妙なテンションで勝手に盛り上がってしまった事は否めないけれど、偶然の出会いだとしても得た自分の興味、「好き」を求めて一点に集中し掘り下げる経験は貴重だった。持続出来れば、これまで敬遠していた未知の、ここではクラシック音楽への興味への探求が進むかもしれない。一体、どうなるのだろうか。

交響曲第7番のみなのか、幾つかに派生するのか、ベートーベン全般に至るのか、若しくはロマン派に派生出来るのか?焦らずに興味のまま、旅を試みようと思う新年です。


昨年は極めて「集中」が困難な稀な一年であった。要か不要か、取り組みに意味があるのか、ふと疑問が生じては悩まされる。ブログでも書き出したまま半端にしてしまったものが多い・・・いつもの事かもしれないけれど、輪を掛けて。

しかしそれにしても、音楽を、しかもクラシックを私が書き出すとは!驚く。手掛かりを得る為に結局は建築を使い、絵画の助けを借りて理解を深めようと取り組んでみた。音楽部分は全くの個人的な感想でしかなく、知識ある人から見ればきっと頓珍漢に違いない。

書いたのは、一つの取り組みを検証できそうに思えたから。「設計」は実はいつも未知の世界への理解と創造、その具現になる。私が使う術は「建築スキル」になる。業務として使うスキルではなく、創造のためのスキルとは観察し、検討しという思考錯誤の方法に重きを置く。誰かが教えてくれる事はなく、この世にマニュアルもない。業務スキルは誰でも携われば覚えるべき事だけれど、創造スキルは自分で磨き得るしかない。その方法を違う興味分野で活用をしてみた。

例えば住宅一つを取っても、同じものは無い。私は特定の方のための住まいを計画する。その特定の方、例えばそのご家族の住いは唯一の一つだ。誰でも住まえる最大公約数的な計画はもちろんあるのだけれど、その家族のためだけの住いを考える。それを創造するには、そのご家族の要求、喜びや楽しさ、或いは死までも抱擁出来る器を考える。それは明らかに未知のもので、得難い。一般に住宅とは、と説き伏せる事は出来るし、実際、世の中の多くは商品建築なので押し付けてしまう事は可能だ。おそらく9割以上はそういう住宅だろう。ある家族のための、彼等だけの「楽しさ」ある住まいを求めるなら?それこそ設計冥利に尽きる。

一昨年に竣工したお寺の設計においても、もちろん同じ過程を経る。知ったつもり、建築設計の常套手段に頼る、既成概念に捕らわれて、ではなく唯一を探し求める。探すには先ず観察し理解をする事が欠かせない。そうして始めて提案が出来、解を一緒に探す事が出来る。

とても面白い時間を経験している。音楽については結論は無いけれど、「理解」は僅かでも得られたと思う。興味を温めれば、何れもう少し深まり、知識ある人にお会いした際に自分の疑問を投げかけられるかもしれない。少なくとも「何が分からないのか分からない」と言う状況は脱したと思う。「これが分からない」という状態なら、まだ救いがあるので。

実の所、私が日常楽しんでいる例えば珈琲やシングルモルトウイスキーも、興味の果てに探し求め出会っている。「好き」を得たなら後は、その更に向こうを探す事が出来る。好きの一つ一つが確かな礎となって。大抵の事は奥深い。浅かったと言う事はない。知れば知る程に奥深く、より興味を増すに違いない。珈琲やウイスキーについては、また改めて記してみたい。

間違ってこれを読まれた方は、無知な人が理解を得るための、ある人の挑戦を楽しんで頂ければと思う。ある建築家、設計者がその設計手法を使い、未知へ理解を深める過程の一部を案内しています。まぁ、恥ずかしい。


■ここまでについて、整理すると・・・

私はロマン派のベートーベンの音楽に興味がある。少なくとも交響曲第7番は大好きだ。特定指揮者の曲を選べるくらいに区別が出来るらしい。(ブラインドで試されても、確立5割で当てられると思う。低いか?)交響曲は1番、2番、8番も楽しめている。

取り組みは先ず、交響曲第7番を集め聴き比べ、差異を理解出来るか?だった。
これはクリアしたのではと思うので、ステップは次へ挑みたい。

・ベートーベン全般を楽しめるのか、交響曲もそれ以外も試してみたい。
・年表理解から、源流をたどり古典を試してみたい。
・年表及び絵画理解から、ロマン派が好きな可能性も検証してみたい。

端はベートーベンだとして、そこに帰着するのか、興味の確信がもっと深い所にあり、求める音楽が他にあるのか?そこまで探求する集中力があるのかは問題だけれど、折角みつけた興味、その楽しみを、私の耳で分る範囲に限られるけれど、探してみたい。




書いた記事は全6話となる。以下に。
LUDWIG VAN BEETHOVEN⑥ ここまでについて。
LUDWIG VAN BEETHOVEN⑤ 参考資料。
LUDWIG VAN BEETHOVEN④ 作家年表をつくる。
LUDWIG VAN BEETHOVEN③ 交響曲第7番を集める。
LUDWIG VAN BEETHOVEN② 先ずは分析を試みる。
LUDWIG VAN BEETHOVEN① 突如、私に訪れたベートーベン・ブーム!