Compact house 考 リビングで大の字になれる家を考える ⑱ 比べる。

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大きさを検証する際に使わせて頂いている彫刻、これは何時も設計の際には側に置いて眺める事にしている。

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美唄のアルテプアッツァ、ここは気持ち良い。時々訪ねて自分の基軸をリセットしてくれる特別な場所だ。広場全体から彫刻、寄り添い立つ人、遊ぶ子供までのスケール感を新にしてくれる。

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見えている二つと、この奥にある山裾に広場にある一つの計3つを実地で計測したのはもう10年以上前になる。以来、それをCADで起こして自分の設計で使わせて頂いている。写真の様に、子供の居るのがとても似合う風景は、それら彫刻の齎すスケール感が活かされている。

建築は当然、それらの彫刻よりも大きいのだけれど、横に置いて無理のない大きさなら、ここで見られるような、人の居るのが似合う景観が出来るに違いないと考えている。

実は非常に微妙な大きさで、一般的に立てられている木造住宅の横に並べると、これらの彫刻は小さく見えてしまう。彫刻が小さく見えると言う事は相対して『人』が小さく見えてしまう事になる。人が小さく見えてしまう背景たる建築の大きさが適切か?これが悩ましい。

一枚目のパースは、この計画で得た外観になる。3Dモデルハウスでもあるので、相当に切り詰めたプロポーションを得た結果、彫刻よりも小さい印象すらあった。これが現実に街角にあったなら、相当に緊張感を作る事ができるはずだ。ズボラに大きいとか、太った印象は皆無だろう。かれこれ10年は実践し、身を持って体感をしてきている。いいなーと思う感覚を大切に設計をいつも試みている。

アルテピアッツァには昨年、一度しか訪ねられなかった。夏の賑やかの頃に行けたら良いなと思う。


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